悩む薬剤師一人薬剤師店舗なので、勤務中に誰にも相談できず不安になる…



一人で全部任されてプレッシャーがすごい…
「一人薬剤師」の方は、そんな悩みを抱えていませんか?



薬剤師.comチームで現役薬剤師でありながら、記事を作成しております薬剤師Nです!
調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師の中には、一人薬剤師として、調剤から服薬指導、在庫管理まですべてを1人でこなしている方が少なくありません。
責任も裁量も大きい働き方ですが、その分「法的に問題はないの?」「働き方として続けられるの?」と不安に感じる人も多いでしょうか?
本記事では、調剤薬局の現場で7年以上勤務してきた薬剤師の視点から、下記を分かりやすく解説します!
- 一人薬剤師とは何か
- どんな魅力と大変さがあるのか
- 違法になってしまうケースはどこにあるのか
筆者は現役薬剤師として、これまで多数の薬局勤務・店舗運営に携わってきました。
現場を知る立場から、「一人薬剤師=違法」ではなく、どうすれば安全かつ正しく働けるかに焦点を当ててお伝えします!
一人薬剤師とは?


「一人薬剤師」とは、通常なら薬剤師数名で分担すべき業務(調剤、監査、服薬指導、薬歴記入、在庫管理、事務対応など)を、薬剤師1人で運営する体制を指す言葉です。
ある調査によれば、常勤薬剤師が1人という薬局が全国調剤薬局のうち約32.9%を占めるというデータもあります。
参照:「薬剤師の需給動向把握事業における 調査結果概要」 /厚生労働省



一人薬剤師の記事については、下記でも紹介しております!


一人薬剤師体制は違法か?


一人薬剤師は違法なのか?について、詳しく解説します!
一人薬剤師体制自体は違法ではない
薬局を薬剤師1人だけで運営すること自体は、薬機法上において明確に禁止されてはいません。



「一人薬剤師だから即違法」というわけではなく、体制・運営・労働時間・処方枚数・休憩などの実務が適正かどうかが重要になります!
以下に具体的な法律・省令・実務上のポイントを紹介します!
処方箋枚数・薬剤師数の目安
薬局の業務体制に関し、 薬局の業務を行う体制を定める省令(薬局業務体制省令)では、「当該薬局において調剤に従事する薬剤師の員数が、当該薬局の一日平均取扱処方箋数 ÷ 40 以上であること」がもとめられています。
処方箋が40枚を超える場合、薬剤師を増やさないと「体制不備」とみなされる可能性があります。
休憩時間・労働時間の問題
一人薬剤師体制で特に問題になるのが、「休憩が取れない」「休めない」などの実態です。



筆者の同僚薬剤師も、希望休が取りにくいのが厳しいと言っています…
一人薬剤師の店舗では「休憩時間」か「手待ち時間(使用者の指揮命令下にある待機時間)」か、という判断が実務上問題となります。
休憩と称していても、実質的に患者対応・調剤・監査対応の切れ目なく続く場合、「休憩時間」と認められず、労働時間として扱われる可能性があります。
「一人で患者対応をしながら昼休みもズルズル」「トイレ・食事もまともに取れない」という状況であれば、労働基準法上の問題があることになります。
無資格または分担すべき業務を薬剤師以外が実施する
薬剤師ではない者(事務員・調剤助手等)が、薬剤師の専属業務(鑑査・服薬指導など)を代行・補助以上に実施しているケースです。
つまり、「事務員が鑑査・服薬指導をしている」「薬剤師が休憩中に無人で業務が進んでいる」などの体制では、違法となる可能性があります。
調剤過誤・医薬品安全確保上のリスク
法律違反というほど明文化された規定ではないものの、「薬剤師1人=ダブルチェックができない」「ミスのリスクが高まる」「過度な負担がかかる」という実務上のリスクがあります。
実際、「一人薬剤師をすることで法律違反を犯してしまうリスクも高まる」という指摘もあります。



薬剤師が1人で多量の処方をこなす場合には業務上の過誤が起きやすく、結果として薬機法・薬剤師法上の責任を問われることも考えられます。
一人薬剤師自体は、違法ではないが「違法となる条件」が揃ったら要注意
「一人薬剤師=即違法」というわけではありませんが、以下のような条件が揃うと法令違反または実務的にリスクの高い体制と言えます。
- 処方箋数が多すぎて 「1人で回せる枚数」を大幅に超えている。
- 休憩時間をまともとれない・トイレも行けない。
- 薬剤師以外の者が監査・投薬・薬歴記入を代行しており、薬剤師の直接関与が曖昧である。
- 在宅訪問薬剤管理指導や施設対応など、薬剤師不在時に営業を継続してしまう体制が続いている。
「一人薬剤師体制」と言っても“実質的に違法またはグレーな運営”である可能性が高いため、勤務薬剤師・管理薬剤師・転職検討者ともに確認が必要です。
一人薬剤師の魅力とは?


一人薬剤師には、他では得られない魅力ややりがいがいくつもあります。
現場で実際に働く薬剤師の声や実情を踏まえて、主な魅力を整理してみましょう!
一人薬剤師の魅力①自分の裁量で業務を進められる
①自分の裁量で業務を進められる
一人薬剤師は、調剤・監査・服薬指導・在庫管理など、すべてを自分で判断して進めます。



そのため、自分のペースで仕事ができ、他人のやり方や方針に縛られない自由さがあります!
現場判断の裁量が大きい分、責任感とやりがいを強く感じられる職場環境でもあるでしょう。
一人薬剤師の魅力②人間関係のストレスがほぼない
②人間関係のストレスがほぼない
多くの薬剤師が転職理由として挙げるのが人間関係の悩みです。
上司・同僚・派遣スタッフなど、複数人の職場ではどうしても摩擦が起こりがちです。



しかし、一人薬剤師の場合、基本的に接するのは患者さんと調剤事務さんのみでチーム内の気疲れや上下関係のストレスが少なく、マイペースに働けるのも大きな魅力ですよ!
一人薬剤師の魅力③患者さんとの距離が近く、信頼関係を築ける
③患者さんとの距離が近く、信頼関係を築ける
一人薬剤師は、店舗に来る患者さん全員を自分が担当します。
そのため、「この薬剤師さんに相談したい」と思ってもらえることが多く、地域に密着したかかりつけ薬剤師として信頼を得やすい立場です。



継続して来局する患者さんの症状変化を把握しやすく、長期的なサポートができる点も魅力ですね!
一人薬剤師の魅力④薬剤師としての総合力が身につく
④薬剤師としての総合力が身につく
通常の薬局では業務分担が多く、特定の仕事だけを担当するケースも少なくありません。
一方、一人薬剤師では調剤・監査・服薬指導・薬歴・在庫管理など全工程を担当します。
このため、自然と知識やスキルの幅が広がり、総合的な対応力が身につきます。
将来的に独立や管理薬剤師を目指す方にとっても、非常に貴重な経験になります!
一人薬剤師の魅力⑤給与水準が高い
⑤給与水準が高い
薬剤師1人に業務が集中する分、給与は高めに設定される傾向があります。
求人データでは、一般的な薬剤師の年収が約550万円前後に対し、 一人薬剤師は600〜700万円程度の求人も珍しくありません。



特に地方の小規模薬局では、「高年収+自由度の高い勤務」という好条件で募集されることが多いです!
一人薬剤師の魅力⑥自己成長を実感できる
⑥自己成長を実感できる
誰にも頼れない環境だからこそ、「自分で考えて動く力」「優先順位をつける力」「リスク管理能力」が磨かれます!
日々の判断や経験がすべてスキルとなり、短期間で大きく成長できる環境です。
管理薬剤師や経営職へのステップアップを目指す薬剤師にとっても、この経験は強みになります。
1人薬剤師店舗で働く際の注意点
具体的には、1日あたりの処方箋枚数、休憩時間の実態、事務員の有無、在宅・施設対応の頻度などを確認しましょう。
事業者が必要に応じて監査システムなどのDIに投資しているかしている事業者であるか店舗見学等で確認できるとベストです!
記事のまとめ


記事を読んでいただきありがとうございました!
簡単に記事の内容をまとめます!
- 一人薬剤師体制そのものは違法ではない
- しかし、転職・就業前に体制・運営・労働時間・処方枚数・休憩などの実務が適正かどうか、「違法になっていないか」を店舗見学や面接の際にチェックが必要
- 「処方枚数が多すぎる」「休憩が取れない」「薬剤師以外が調剤を実施している」など、複数の条件が揃えば、法律違反または業務上の重大なリスクとなる可能性
一人薬剤師として働く、働きたいと考える際には、求人情報だけでなく「実務環境・処方枚数・休憩時間・体制構築の有無」をきちんと確認しましょう!
