「6月権利確定の高配当株を買いたい。でも、JT・INPEX・ヤマハ発動機・ブリヂストン・住友林業・ヒューリックの中で、結局どれがいいのか分からない」――そう感じている人は多いはずです。
結論から言うと、6月権利の高配当株は“配当利回りだけ”で買うと危険です。見るべきなのは、利回りの高さよりも、業績の安定性・配当方針・財務耐久力・株価水準の4つです。
この記事では、2026年6月に中間配当の権利確定を迎える代表的な12月決算の高配当株、JT(2914)・INPEX(1605)・ヤマハ発動機(7272)・ブリヂストン(5108)・住友林業(1911)・ヒューリック(3003)を比較し、どの銘柄をどう見ればいいのかを整理します。
なお、株価・PER・PBR・配当利回りは2026年6月5日時点の数値を参考にしています。業績・配当予想は各社の2026年12月期第1四半期決算資料・公式IR資料をもとに確認し、必要な部分を修正しています。
この記事はあくまでも情報提供を目的としたものであり、その手法や知識について勧誘や売買を推奨するものではありません。
本記事に含まれる情報に関しては、万全を期しておりますが、その情報の正確性、完全性、有用性を保証するものではありません。
情報の利用の結果として何らかの損害が発生した場合、著者は理由のいかんを問わず投資の結果に責任を負いません。
投資対象および商品の選択など、投資にかかる最終決定はご自身でご判断ください。
結論|6銘柄の中で買いやすいのはどれか

ちょくまず結論です。今回の6銘柄を「配当の持続性」「業績の安定性」「株価水準」「リスク」の4軸で見ると、個人的な評価は次の通りです。
| 順位 | 銘柄 | 評価 | 理由 |
| 1位 | ヒューリック | 長期配当向き | 18期連続増配見込み。配当方針が明確で、利回りも4%台 |
| 2位 | JT | 高配当の中核候補 | 利回り4%台。利益水準は強いが、配当性向は高めなので買値が重要 |
| 3位 | ブリヂストン | 安定大型株 | 財務健全性が高く、業績も堅調。利回りはやや控えめ |
| 4位 | ヤマハ発動機 | 攻めの高配当 | 配当利回りは高いが、二輪・マリン・為替・関税影響を受けやすい |
| 5位 | INPEX | 資源価格連動枠 | 累進配当は魅力。ただし油価・為替・地政学リスクの影響が大きい |
| 6位 | 住友林業 | 押し目待ち | 米国住宅・金利影響が大きい。株式分割後の見え方にも注意 |
安定配当を重視するなら、ヒューリック・JT・ブリヂストンが中心候補。一方で、値上がり益も狙うなら、INPEX・ヤマハ発動機・住友林業は押し目で検討したい銘柄です。
- 配当の安定感ならヒューリック・JT・ブリヂストン
- 景気敏感・資源価格の上振れを狙うならINPEX・ヤマハ発動機・住友林業
- 権利付最終日に焦って買うより、配当落ち後の株価も見て分散買いが合理的
- 5%利回りを狙うなら、現値ではなく下落時の買値が重要
2026年6月の権利付最終日・権利落ち日はいつ?

今回取り上げる6銘柄はいずれも12月決算企業です。したがって、6月末は主に中間配当の権利確定月になります。
| 項目 | 日付 | 意味 |
| 権利付最終日 | 2026年6月26日(金) | この日の大引け時点で保有していれば配当権利を得られる |
| 権利落ち日 | 2026年6月29日(月) | この日から買っても6月末基準の配当はもらえない |
| 権利確定日 | 2026年6月30日(火) | 株主名簿上の基準日 |
つまり、2026年6月の中間配当を狙うなら、2026年6月26日(金)の大引けまでに保有している必要があります。
ただし、権利付最終日に駆け込みで買えばよいわけではありません。
権利落ち日には理論上、配当分だけ株価が下がります。
ようこ高配当株投資で大事なのは、1回の配当を取りに行くことではなく、減配しにくい銘柄を良い株価で買い、長く保有することよ。
6銘柄の株価・配当利回り・予想配当を比較

2026年6月5日時点の株価と配当利回り、そこから逆算・確認できる2026年12月期の年間配当予想は次の通りです。
| 銘柄 | 株価 | PER | PBR | 利回り | 年間配当予想 | 利回り5%の目安株価 |
| JT | 5,973円 | 18.6倍 | 2.60倍 | 4.05% | 242円 | 4,840円 |
| INPEX | 3,685円 | 10.7倍 | 0.88倍 | 2.93% | 108円 | 2,160円 |
| ヤマハ発動機 | 1,224円 | 11.9倍 | 1.02倍 | 4.08% | 50円 | 1,000円 |
| ブリヂストン | 3,380円 | 12.4倍 | 1.15倍 | 3.70% | 125円 | 2,500円 |
| 住友林業 | 1,288円 | 8.3倍 | 0.76倍 | 3.88% | 50円 | 1,000円 |
| ヒューリック | 1,656円 | 10.4倍 | 1.38倍 | 4.05% | 67円 | 1,340円 |
ここで分かるのは、表面利回りだけならJT・ヤマハ発動機・ヒューリックが4%台で目立つということです。ただし、利回りが高い銘柄ほど買えばよいわけではありません。
たとえばINPEXはPBR0.88倍・PER10倍台で割安に見えますが、配当利回りは約2.9%と今回の中では低めです。住友林業はPER8倍台・PBR0.7倍台で割安感がありますが、米国住宅市場と金利の影響を強く受けます。
ちょく高配当株は「利回りが高いから買う」のではなく、「その配当を維持できるか」で選ぶべきです。
JT(2914)|高配当の王道だが、配当性向の高さには注意

JTは、今回の6銘柄の中でも最も分かりやすい高配当株です。2026年6月5日時点の株価は5,973円、配当利回りは4.05%。2026年度の年間配当予想は242円です。


JTの強みは、海外たばこ事業の収益力です。

たばこ市場は数量減少リスクを抱えていますが、価格改定力が強く、キャッシュフローを生みやすいビジネスです。
2026年度第1四半期の公式IR資料でも、年間配当予想242円、連結配当性向75.2%予想が確認できます。

一方で、配当性向75%台は決して低くありません。業績が強い間は問題ありませんが、為替が円高に振れたり、たばこ規制が強まったりすると、配当余力は圧迫されます。
- 良い点:高収益・高配当・キャッシュ創出力が強い
- 注意点:配当性向が高め。過去に減配実績がある
- 買い方:利回り4%台前半で焦って全力買いより、下落時に分散で拾いたい


JTは「高配当株の中核候補」ではありますが、5,900円台ではかなり評価も進んでいます。長期で持つなら悪くありませんが、短期の配当取り目的で飛びつくより、株価下落時に買い増す方が安全です。
INPEX(1605)|累進配当は魅力。ただし油価と為替の影響が大きい

INPEXは、日本を代表するエネルギー企業です。
2026年6月5日時点の株価は3,685円、配当利回りは2.93%。2026年12月期の年間配当予想は108円です。

2026年5月13日に、INPEXは2026年12月期の通期業績予想を上方修正しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、従来予想3,300億円から3,500億円〜4,500億円のレンジ予想に引き上げられています。

さらに、2025〜2027年の中期経営計画期間では、1株90円を起点とする累進配当と、総還元性向50%以上を掲げています。2026年12月期の配当予想は、中間54円・期末54円の年間108円が据え置かれました。


ただし、INPEXは高配当株というより、資源価格連動株として見るべきです。原油価格・LNG市況・為替・中東情勢の影響を強く受けます。
業績が上振れる局面では強い一方、油価が下がると株価も配当期待も冷えやすい点には注意が必要です。
- 良い点:業績予想上方修正、累進配当、総還元性向50%以上
- 注意点:油価・為替・地政学リスクへの感応度が高い
- 買い方:高値追いより、資源価格下落で売られた局面を狙いたい
ヤマハ発動機(7272)|利回り4%台だが、景気敏感株として扱う

ヤマハ発動機は、二輪・マリン・ロボティクスなどを展開するグローバルメーカーです。
2026年6月5日時点の株価は1,224円、配当利回りは4.08%。年間配当予想は50円です。

2026年12月期第1四半期は、売上収益7,301億円、営業利益626億円で、前年同期比では増収増益でした。

特にMC事業は、先進国・アセアン・インドでの販売台数増加が寄与しています。
一方で、米国関税や原材料価格上昇の影響は無視できません。マリン事業も、船外機の販売台数増加はあるものの、米国関税影響が重しになっています。

ヤマハ発動機は利回り4%台で魅力的に見えますが、ディフェンシブな高配当株ではありません。景気・為替・関税・需要サイクルの影響を受ける「攻めの高配当株」です。

- 良い点:配当利回り4%台、1Qは増収増益
- 注意点:関税・為替・景気敏感性が高い
- 買い方:1,000円近辺まで下がれば利回り5%目線で検討しやすい
ブリヂストン(5108)|財務・事業の安定感は高いが、利回りはやや控えめ

ブリヂストンは、世界的なタイヤメーカーです。
2026年6月5日時点の株価は3,380円、配当利回りは3.70%。2026年12月期の年間配当予想は125円です。

2026年第1四半期は、売上収益1兆1,134億円、調整後営業利益1,222億円と堅調でした。

通期見通しも、売上収益4兆5,000億円、調整後営業利益5,150億円、親会社所有者に帰属する当期利益3,400億円の予想です。
ブリヂストンの魅力は、財務の健全性と事業ポートフォリオの強さです。親会社所有者帰属持分比率は65%台と高く、今回の6銘柄の中でも安定感があります。

一方で、利回りは3.7%程度と、JT・ヤマハ発動機・ヒューリックと比べるとやや控えめです。タイヤ需要、原材料価格、米国関税の影響もチェックが必要です。

- 良い点:財務健全性が高く、グローバル事業基盤が強い
- 注意点:利回りは突出して高くない。原材料・関税影響もある
- 買い方:安定大型株として、下落時に長期保有前提で検討
住友林業(1911)|割安感はあるが、米国住宅と金利が最大リスク

住友林業は、住宅・木材・不動産を展開する企業です。
2026年6月5日時点の株価は1,288円、PER8.3倍、PBR0.76倍、配当利回り3.88%。2026年12月期の年間配当予想は50円です。

数字だけ見るとかなり割安に見えます。ただし、2026年12月期第1四半期は、売上高は5,321億円で前年同期比4.0%増だった一方、経常利益は218億円で42.2%減、当期純利益は168億円で18.6%減でした。

主な要因は、主力の米国住宅事業における販売戸数減少と利益率低下です。米国住宅ローン金利が高止まりすると、住宅需要は冷えやすく、住友林業の業績にも影響が出ます。

また、2025年7月1日を効力発生日として1株を3株にする株式分割を実施している点にも注意が必要です。
- 良い点:PER・PBRに割安感、長期の住宅・不動産成長期待
- 注意点:米国住宅市場、金利、為替の影響が大きい
- 買い方:急いで買うより、米金利・住宅指標を見ながら押し目待ち
ヒューリック(3003)|連続増配と利回り4%台が魅力。長期配当向き

ヒューリックは、都心好立地の不動産を中心に展開する不動産会社です。
2026年6月5日時点の株価は1,656円、PER10.4倍、PBR1.38倍、配当利回り4.05%。2026年12月期の年間配当予想は67円です。

2026年12月期第1四半期は、営業利益311億円、経常利益269億円、純利益181億円でした。

ただし、リソー教育の株価に応じた追加的なのれん償却69億円という特殊要因があり、特殊要因を除いた実力ベースでは営業利益381億円、経常利益339億円、純利益251億円と、いずれも前年同期比で大きく伸びています。
さらに、2026年12月期の年間配当は67円予想で、前年から5円増配。資料では上場以来18期連続増配を見込むとされています。2029年に向けて配当性向を45%へ段階的に引き上げる方針も示されています。

注意点は、不動産会社なので金利上昇局面では株価が重くなりやすいことです。信用倍率も高く、短期需給で売られる場面はあります。
- 良い点:18期連続増配見込み、利回り4%台、配当方針が明確
- 注意点:不動産株なので金利上昇には弱い
- 買い方:長期配当目的なら6銘柄の中でも最有力候補
利回り5%で買うなら、いくらまで待つべきか

高配当株を買うときは、現在の利回りだけでなく、自分が納得できる利回りになる株価を先に決めておくと冷静に判断できます。
ようこ年間配当予想をもとに、配当利回り5%になる目安株価を計算すると次の通りよ。
| 銘柄 | 年間配当予想 | 利回り5%の目安株価 | コメント |
| JT | 242円 | 4,840円 | 現値からは距離がある。急落時の目安 |
| INPEX | 108円 | 2,160円 | 5%狙いにはかなり下落が必要 |
| ヤマハ発動機 | 50円 | 1,000円 | 現実的に監視しやすい水準 |
| ブリヂストン | 125円 | 2,500円 | かなり深い押し目待ち |
| 住友林業 | 50円 | 1,000円 | 金利上昇で売られた時の目安 |
| ヒューリック | 67円 | 1,340円 | 不動産株売りが出た時に狙いたい |
2026年6月5日時点では、利回り5%に近い銘柄はありません。
だからこそ、6月権利を理由に焦って買うより、利回り4%台で少し買い、5%近辺まで下がれば追加するという分割戦略が現実的です。
新NISAで買うならどう組み合わせるべきか

新NISAの成長投資枠で高配当株を持つメリットは、配当課税20.315%が非課税になることです。配当を再投資するなら、この差は長期で大きく効いてきます。
ただし、個別株は減配・株価下落リスクがあります。
ボッチ1銘柄に集中せず、業種を分散することが重要だよ。
| タイプ | 候補銘柄 | 役割 |
| 中核配当 | JT・ヒューリック | 高配当・配当方針の分かりやすさ |
| 安定大型 | ブリヂストン | 財務健全性・グローバル分散 |
| 景気敏感枠 | ヤマハ発動機・住友林業 | 株価上昇余地も狙う |
| 資源枠 | INPEX | インフレ・資源価格上昇への備え |
たとえば100万円を投資するなら、JT25万円、ヒューリック25万円、ブリヂストン20万円、ヤマハ発動機10万円、住友林業10万円、INPEX10万円のように、安定配当株を厚めにして、景気敏感・資源株はサテライトにする考え方が無難です。
逆に、短期の値上がりも狙いたいなら、INPEX・ヤマハ発動機・住友林業の比率を上げる選択肢もあります。ただし、その場合は配当株投資というより、景気敏感株投資に近くなります。
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よくある質問

- 6月26日までに必ず買うべきですか?
-
必須ではありません。権利付最終日前に株価が上がっている場合、配当落ち後に下がる可能性もあります。長期保有前提なら、配当落ち後の株価も見ながら分割で買う方が安全です。
- 一番おすすめの銘柄はどれですか?
-
個人的に1番投資したいのはJTですが、配当の持続性を重視するならヒューリックが最も買いやすいです。高配当の中核としてJT、安定大型株としてブリヂストンも候補になります。値上がり益も狙うならINPEX・ヤマハ発動機・住友林業を押し目で検討する形です。
- 配当利回り5%まで待つべきですか?
-
理想は5%ですが、優良銘柄はそこまで下がらないことも多いです。4%台で少し買い、5%近辺まで下がれば追加する分割投資が現実的です。
- 新NISAで買うメリットはありますか?
-
あります。通常、配当には20.315%の税金がかかりますが、新NISA内で受け取る配当は非課税です。高配当株を長期で持つなら、税制メリットは大きいです。
まとめ|6月権利の高配当株は「利回り」より「持続性」で選べ

今回の6銘柄は、どれも魅力があります。ただし、性格はかなり違います。
- JT:高配当の中核候補。ただし配当性向は高め
- INPEX:累進配当は魅力だが、油価・為替の影響が大きい
- ヤマハ発動機:利回り4%台だが、景気敏感株として扱う
- ブリヂストン:財務・事業の安定感が強い大型株
- 住友林業:割安感はあるが、米国住宅と金利リスクが大きい
- ヒューリック:連続増配と利回り4%台が魅力。長期配当向き
個人的に1番欲しいのはJTで最も長期配当株として買いやすいのはヒューリック。次点でブリヂストン。値上がり益も狙うなら、INPEX・ヤマハ発動機・住友林業を押し目で組み合わせるのが現実的です。
ただし、6月権利確定が近いからといって焦る必要はありません。権利付最終日に駆け込み買いをすると、配当落ち後の下落で含み損を抱えることもあります。
ちょく高配当株投資で大事なのは、1回の配当を取りに行くことではなく、5年・10年と配当を受け取り続けられる銘柄を、納得できる株価で買うことです。
6月権利の高配当株は、短期イベントではなく、長期の配当ポートフォリオを作るきっかけとして使いましょう。






