「キオクシアの1Q決算は、記録的な増益なのに悪い決算だったの?」
キオクシアホールディングス(証券コード285A)は、2026年7月31日の取引終了後に2027年3月期第1四半期決算を発表しました。
売上収益は1兆7,671億円、営業利益は1兆2,700億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8,422億円。前年同期から利益が急拡大し、会社は7~9月期も前四半期比で大幅な増収増益を見込んでいます。
一方、IFRSベースの営業利益と純利益は会社の事前見通しに届かず、売上収益と営業利益は市場予想も下回りました。決算発表後のPTSでは、東証終値4万6,500円を下回る4万4,500円で取引を終えています。
つまり今回の決算は、業績が悪いのではなく、極めて強い業績でも市場の期待値には一部届かなかった決算です。
この記事では、1Q決算の良かった点と懸念点、最大8,000億円の自社株買いと1対3の株式分割、7月の暴落理由、現在のバリュエーションを整理します。そのうえで、個人投資家が新規投資を検討する際の価格帯を3段階で示します。
- 1Q売上収益は1兆7,671億円、営業利益は1兆2,700億円
- Non-GAAP営業利益は1兆3,262億円で、営業利益率は75.0%
- NANDの平均販売単価は前四半期比約70%上昇、出荷量の伸びは1桁前半%
- 7~9月期は売上収益2兆3,900億円、営業利益1兆8,900億円を予想
- 最大8,000億円の自社株買いと、2026年10月1日付の1対3株式分割を発表
- 新規投資の目安は、積極型4万2,000~4万4,000円、標準型3万8,000~4万円、慎重型3万4,000~3万6,000円
この記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
株価・PTS価格・テクニカル指標は、特に記載がない限り2026年7月31日取引終了後から8月1日未明時点の情報です。業績予想と株価見通しには不確実性があり、実際の結果とは大きく異なる可能性があります。
投資判断は、余裕資金・投資期間・許容できる損失額を踏まえ、ご自身の責任で行ってください。
【結論】本業は非常に強いが、決算直後に4万6,500円を追いかける局面ではない

最初に結論をまとめます。
- 事業面:AIデータセンター向け需要とNAND価格上昇により、過去最高水準の業績
- 決算評価:Non-GAAPでは会社計画超過、IFRSと市場予想では一部未達
- 先行き:7~9月期も前四半期比で増収増益予想のため、現時点で業績ピークアウトは確認できない
- 株価面:長期の下降トレンド中で、7月31日のストップ高は決算発表前の値動き
- 投資方針:一括投資ではなく、4万4,000円以下から段階的に検討する方がリスク管理しやすい
7月31日の東証終値は4万6,500円でストップ高でしたが、決算は取引終了後に発表されています。したがって、このストップ高は決算内容を織り込んだ上昇ではありません。
決算発表後のPTS終値は4万4,500円でした。8月3日の通常取引が、決算・自社株買い・株式分割をまとめて織り込む最初の本格的な価格形成になります。
キオクシアの2027年3月期1Q決算を分析

業績サマリー|売上・利益とも過去最高水準
| 項目 | 2027年3月期1Q | 前年同期比 | 前四半期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,671億円 | +415.5% | +76.2% |
| Non-GAAP営業利益 | 1兆3,262億円 | 大幅増益 | +121.4% |
| 営業利益(IFRS) | 1兆2,700億円 | 大幅増益 | +112.8% |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 8,422億円 | 約46倍 | +106.5% |
| 基本的EPS | 1,539.91円 | +1,506.01円 | +792.19円 |
売上収益は前年同期の約5.2倍、IFRS営業利益は前年同期の449億円から1兆2,700億円へ急増しました。
売上総利益率は約78.1%、IFRS営業利益率は約71.9%、Non-GAAP営業利益率は75.0%です。
ただし、利益率が非常に高いからといって、そのまま永続すると考えるのは危険です。
ちょく今回の増益は、出荷量の急増よりもNAND価格の上昇に大きく支えられています。
会社計画には「Non-GAAPで上振れ、IFRSで下振れ」
| 項目 | 1Q実績 | 会社の事前見通し | 差 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,671億円 | 1兆7,500億円 | +1.0% |
| Non-GAAP営業利益 | 1兆3,262億円 | 1兆3,000億円 | +2.0% |
| 営業利益(IFRS) | 1兆2,700億円 | 1兆2,980億円 | -2.2% |
| Non-GAAP純利益 | 8,870億円 | 8,700億円 | +2.0% |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 8,422億円 | 8,690億円 | -3.1% |
評価が分かりにくい理由は、Non-GAAPとIFRSで結果が異なるためです。
本業の収益力を示すNon-GAAP営業利益は会社計画を上回りました。
一方、IFRS営業利益は、株式報酬費用194億円と訴訟損失引当金366億円などの影響を受け、会社計画を下回っています。
ボッチ「営業利益1兆2,700億円だから会社予想未達」とだけ見るのも、「Non-GAAPで上振れたから完全な好決算」と見るのも不十分。本業は計画超過、会計上の一過性費用を含む利益は計画未達と整理するのが正確だよ。
市場予想には届かず|期待値の高さが最大の問題
| 項目 | 1Q実績 | 市場予想 | 市場予想比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,671億円 | 1兆8,356億円 | -3.7% |
| 営業利益(IFRS) | 1兆2,700億円 | 1兆3,701億円 | -7.3% |
ブルームバーグ集計の市場予想に対しては、売上収益・営業利益とも未達でした。
決算前の株価が高値から大きく下落していても、アナリストの利益予想は上方修正され続けていたため、市場のハードルは依然として高い状態でした。
このため、今回の決算を一言で表すと、絶対額では非常に強いが、期待値対比では物足りないとなります。
1Q決算の良かった点

良い点①:7~9月期も前四半期比で大幅増収増益を予想
| 項目 | 4~6月期実績 | 7~9月期見通し | 前四半期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,671億円 | 2兆3,900億円 | +35.2% |
| Non-GAAP営業利益 | 1兆3,262億円 | 1兆9,000億円 | +43.3% |
| 営業利益(IFRS) | 1兆2,700億円 | 1兆8,900億円 | +48.8% |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 8,422億円 | 1兆2,700億円 | +50.8% |
| 基本的EPS | 1,539.91円 | 2,317.46円 | +777.55円 |
会社は、データセンター向け需要が引き続き旺盛に推移すると見込み、7~9月期も増収増益を予想しています。
少なくとも会社の見通し上は、4~6月期が利益のピークではありません。
ようこNAND市況のピークアウトを警戒する必要はありますが、現時点でピークアウトが数字に表れたわけではない点は重要よ。
良い点②:AIデータセンター向けSSDが成長の中心
| 用途別売上 | 1Q売上収益 | 前四半期比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| SSD&ストレージ | 1兆1,747億円 | +95.7% | 約66.5% |
| スマートデバイス | 5,257億円 | +55.8% | 約29.7% |
| その他 | 667億円 | +2.3% | 約3.8% |
SSD&ストレージの売上収益は前四半期のほぼ2倍となりました。
同部門のうち、データセンター・エンタープライズ向けが6割超を占め、出荷量・売上収益とも過去最高を更新しています。
スマホやPCだけに依存せず、AIサーバー向けの高付加価値SSDが成長をけん引している点は、従来のNAND市況株より高い評価を受ける根拠になります。
良い点③:NANDの販売単価が前四半期比約70%上昇
4~6月期は、米ドルベースの平均販売単価が前四半期比で約70%上昇しました。一方、記憶容量ベースの出荷量は1桁前半%の増加です。
物量を無理に増やすのではなく、需要が強い分野へ製品を振り向け、価格と採算を優先した結果、Non-GAAP営業利益率は75%まで上昇しました。
良い点④:財務が改善し、ネットキャッシュへ転換
| 財務項目 | 2026年3月末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|
| 現金及び現金同等物 | 4,707億円 | 7,910億円 |
| 社債及び借入金 | 1兆476億円 | 6,346億円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 37.9% | 50.8% |
| 営業キャッシュ・フロー | - | 8,663億円 |
キオクシアは1Qにシニアローンを全額返済し、現金が社債・借入金を上回るネットキャッシュ・ポジションへ転換しました。
営業キャッシュ・フローは8,663億円、会社が新たに開示したコア・フリーキャッシュ・フローは8,272億円です。
財務改善により、設備投資・研究開発・株主還元を同時に実行できる余力が大きくなりました。
1Q決算の懸念点

懸念点①:利益成長の大部分を価格上昇に依存している
売上収益が前四半期比76.2%増えた一方、出荷量の増加は1桁前半%でした。成長の大部分は平均販売単価の上昇によるものです。
これは足元の収益力が強いことを示す一方、NANDの供給不足が解消し、価格が下落に転じた場合には、利益が急速に縮小する可能性も示しています。
懸念点②:7~9月期見通しも市場予想をわずかに下回る
| 項目 | 会社の2Q見通し | 市場予想 | 差 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆3,900億円 | 2兆4,564億円 | -2.7% |
| 営業利益 | 1兆8,900億円 | 1兆9,079億円 | -0.9% |
2Q見通しは前四半期比では非常に強いものの、市場予想にはわずかに届きません。
市場は「増益するか」ではなく、どれだけ市場予想を超えるかを見ています。
懸念点③:通期予想と期末配当予想は未開示
会社が開示したのは2026年9月までの中間期予想で、2027年3月期の通期業績予想は示していません。
中間配当は0円です。期末配当と年間配当は未定であり、今回の自社株買いは大きな還元策ですが、安定配当を目的とする投資家には判断材料が不足しています。
懸念点④:訴訟損失引当金と株式報酬費用
1Qには、Viasatとの特許訴訟に関連する訴訟損失引当金366億円と、株式報酬費用194億円を計上しました。
Viasat訴訟について会社は評決を容認せず、必要に応じて控訴を含む法的手段を講じる方針です。
製品・サービスの提供には影響しないとしていますが、最終的な法的負担は確定していません。
最大8,000億円の自社株買いをどう評価する?

| 取得株数の上限 | 3,000万株(発行済株式の5.5%) |
| 取得金額の上限 | 8,000億円 |
| 取得期間 | 2026年8月3日~10月30日 |
| 取得方法 | 東証での取引一任契約による市場買付を予定 |
発行済株式の5.5%という見出しは強い材料ですが、「3,000万株」と「8,000億円」は両方とも上限です。どちらか一方の上限に達した時点で、それ以上は取得できません。
| 平均取得価格の仮定 | 8,000億円で買える株数 | 発行済株式に対する割合 |
|---|---|---|
| 4万6,500円 | 約1,720万株 | 約3.1% |
| 4万円 | 2,000万株 | 約3.6% |
| 3万6,000円 | 約2,222万株 | 約4.1% |
| 2万6,667円以下 | 3,000万株 | 5.5% |
7月31日終値4万6,500円で単純計算すると、8,000億円で取得できるのは約1,720万株、発行済株式の約3.1%です。5.5%を全て取得するには、平均取得価格が約2万6,667円以下になる必要があります。
それでも時価総額の約3%に相当する自社株買いは大きく、8月3日から10月30日までの需給下支えになります。
ちょくただし、会社資料には「市場環境等により一部または全部を取得しない可能性」が明記されています。
1対3の株式分割は好材料?投資単位はまだ高い

キオクシアは2026年9月30日を基準日として、10月1日に1株を3株へ分割します。
| 分割前株価 | 分割後の理論株価 | 100株の投資金額 |
|---|---|---|
| 4万6,500円 | 1万5,500円 | 155万円 |
| 4万円 | 約1万3,333円 | 約133万円 |
| 3万6,000円 | 1万2,000円 | 120万円 |
分割後も、7月31日終値を基準にすると100株で約155万円が必要です。東証が望ましいとする50万円未満には届かず、会社も投資単位のさらなる引き下げを引き続き検討するとしています。
株式分割は流動性の改善や個人投資家層の拡大にはプラスですが、企業価値そのものを増やす施策ではありません。分割だけを理由に買うのは避けるべきです。
ちょく個人的には株式分割は必要ではなかったと思いますが、10分割などではなく3分割だった点は良かったと思います。
なぜ決算後のPTSで売られたのか

- 1QのIFRS営業利益と純利益が会社の事前見通しを下回った
- 1Qの売上収益・営業利益が市場予想を下回った
- 2Q見通しも市場予想をわずかに下回った
- 7月31日は決算前にストップ高まで上昇し、短期的な利益確定が出やすかった
- 自社株買いの「5.5%」は、現在の株価では金額上限のため全て取得できない
PTS下落は「業績悪化」を織り込んだものではなく、高すぎた期待値の修正と考える方が自然です。
一方で、PTSは通常取引より参加者と流動性が少ないため、8月3日の東証株価が必ず4万4,500円付近で始まるとは限りません。
自社株買い開始も同日であり、寄り付き直後は大きく振れる可能性があります。
キオクシア株はなぜ7月に暴落した?決算後に整理し直す

キオクシア株は6月22日に上場来高値11万2,700円を付けた後、7月30日の安値3万6,020円まで約68%下落しました。7月31日終値4万6,500円でも、高値から約58.7%安です。
理由①:短期間で上昇しすぎた反動
キオクシア株は、AIストレージ需要とNAND価格上昇を材料に急騰し、時価総額が国内最大級まで膨らみました。
業績が改善していても、上昇速度が速すぎれば、利益確定とポジション縮小で下落幅が大きくなります。
理由②:AI・半導体株全体のリスクオフ
7月は米国・韓国・日本のAI半導体株が大きく調整しました。中国Moonshot AIのKimi K3など、低コストの高性能AIモデルが登場したことで、AIインフラ投資の持続性に対する懸念も意識されました。
ただし、AIの利用コスト低下がストレージ需要を減らすとは限りません。
利用量が増えれば、推論データや長期記憶を保存するNAND需要がむしろ拡大する可能性もあります。
ちょくキオクシア経営陣も、低コスト化はAI利用とストレージ需要の拡大につながるとの見方を示しています。
理由③:SKハイニックスの大型NAND投資
SKハイニックスは、韓国・清州にNAND新工場「M17」を建設し、80兆ウォン規模を投じる計画を公表しました。2027年着工、2029年上半期の稼働予定です。
長期的にはNAND供給増加と価格競争のリスクですが、稼働は2029年であり、2026~2027年の需給を直ちに緩める材料ではありません。
理由④:Viasat訴訟とベインの全株売却
Viasat特許訴訟では約2億2,900万ドルの損害賠償を認める陪審評決が出され、キオクシアは1Qに366億円の引当金を計上しました。
また、ベインキャピタルは保有していたキオクシア株を全て売却したと報じられました。
大量売却は上昇局面の需給を重くした可能性がありますが、売却完了後は将来の売り圧力が減るため、現在はオーバーハング解消という面もあります。
理由⑤:信用買い残の重さ
7月24日時点の信用買い残は約1,138万株、信用売り残は約54万株で、信用倍率は約21倍でした。前週から買い残は減少したものの、買い方に偏った需給は続いています。
なお、大口空売り残高の一覧で「-」と表示されていても、市場に空売りが存在しないという意味ではありません。
一定の開示基準に達した大口投資家の残高が確認できない、という意味にとどまります。
現在の株価は割安?PERとPBRを再計算

| 指標 | 2026年7月31日終値4万6,500円での概算 |
|---|---|
| 時価総額 | 約25.5兆円 |
| 1株純資産(BPS) | 約4,387円 |
| PBR | 約10.6倍 |
| 中間期予想EPS | 約3,857円 |
| 中間期EPSを単純年率換算したPER | 約6.0倍 |
| 決算発表直後のアナリスト通期予想EPS | 約9,928円 |
| 同予想を使ったPER | 約4.7倍 |
PERだけを見ると割安ですが、PBRは10倍を超えています。これは、急激な価格上昇で利益が純資産に対して極端に大きくなっているためです。
メモリ市況株は、好況のピークで利益が最大になり、PERが最も低く見えやすい特徴があります。したがって、PERが低いから安全とは限りません。
また、アナリストの通期予想は決算発表直後で更新前の可能性があります。
ちょく会社は通期予想を出していないため、現時点のPERは参考値として扱う必要があります。
今後の株価予想|3つのシナリオ

会社の通期予想がないため、以下は中間期予想とNAND市況をもとにした独自シナリオです。将来の株価を保証するものではありません。
| シナリオ | 前提 | 想定EPS | 想定PER | 株価目安 |
|---|---|---|---|---|
| 弱気 | 下期利益が上期の30%まで縮小 | 約5,000円 | 5~6倍 | 2万5,000~3万円 |
| 中立 | 下期利益が上期の70% | 約6,550円 | 6~7倍 | 3万9,000~4万6,000円 |
| 強気 | 下期利益が上期の110% | 約8,100円 | 7~8倍 | 5万7,000~6万5,000円 |
中心シナリオは、当面3万6,000~5万円の大きなレンジで値固めする展開です。
自社株買いは下値を支えますが、25日線・75日線が6万円台にあり、中期の下降トレンドを転換するには時間が必要です。
強気シナリオ:5万円を回復し、6万~6万5,000円へ
2Q見通しを上回り、ASP上昇とAIデータセンター需要が続けば、5万円を明確に回復した後、旧支持帯と移動平均線が集まる6万~6万5,000円が次の目標になります。
中立シナリオ:3万6,000~5万円で乱高下
好業績と自社株買いが下支えする一方、市場予想未達と信用需給が上値を抑えるケースです。現在はこのシナリオを中心に考えるのが妥当です。
弱気シナリオ:3万6,020円を割り、3万2,000円前後へ
NAND価格のピークアウト、AI関連株の再下落、2Q以降のガイダンス鈍化が重なる場合、7月30日安値3万6,020円を割り、長期移動平均線と過去の支持帯がある3万2,000円前後を試す可能性があります。
3万2,000円も維持できない場合は、2万6,000~3万円の弱気シナリオを警戒します。
個人投資家が投資するなら、いくらで買う?

新規投資を検討する場合は、価格を1点に決めず、次の3段階に分ける方法が現実的です。
| 投資スタイル | 分割前の目安 | 1対3分割後の理論価格 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 積極型 | 4万2,000~4万4,000円 | 1万4,000~約1万4,667円 | PTS付近。少額の打診買いに限定 |
| 標準型 | 3万8,000~4万円 | 約1万2,667~約1万3,333円 | 決算前の価格帯。中心となる買い場候補 |
| 慎重型 | 3万4,000~3万6,000円 | 約1万1,333~1万2,000円 | 直近安値付近。リスク・リターンが改善 |
4万6,500円での一括買いを避けたい理由
- 7月31日のストップ高は決算発表前で、決算後の価格形成が終わっていない
- PTSでは4万4,500円まで下落している
- MACDはマイナス圏、25日線・75日線は株価より大幅に上にあり、中期トレンドは下向き
- 100株で465万円となり、1日の値動きだけで数十万円変動する可能性がある
上昇を確認してから買う場合は、5万円を出来高を伴って回復し、4万6,500~5万円を支持帯へ変えられるかを確認します。これは割安狙いではなく、トレンド転換を確認する買い方です。
ようこ通常の100株単位では投資額が大きすぎるため、単元未満株を使うか、10月の株式分割後まで待つ方法もあります。銘柄分析より先に、許容できる損失額を決めることが大切よ。
今後チェックすべき5つのポイント

1.NANDの平均販売単価
価格上昇が続く間は高利益を維持しやすい一方、横ばい・下落へ転じた場合は利益ピークアウトを警戒します。
2.データセンター・エンタープライズ向けSSD
SSD&ストレージ内の構成比、出荷量、長期供給契約(LTA)の拡大を確認します。
3.2Q実績と3Qガイダンス
2Qの増収増益達成だけでなく、10~12月期も成長が続くかが、年間利益の持続性を判断する最大の材料です。
4.自社株買いの進捗
8,000億円をどこまで実際に取得するか、平均取得価格と取得株数を確認します。
5.SKハイニックスなど競合の設備投資
2029年以降の供給増加だけでなく、既存工場の増産や歩留まり改善による短期的な供給増加にも注意します。
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まとめ|好決算だが「期待値」と「買う価格」を分けて考える

キオクシアの2027年3月期1Qは、売上収益1兆7,671億円、営業利益1兆2,700億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益8,422億円となり、事業面では非常に強い決算でした。
特に、AIデータセンター向けSSDの成長、平均販売単価の約70%上昇、営業利益率75%、ネットキャッシュへの転換は高く評価できます。会社は7~9月期も前四半期比で大幅な増収増益を見込んでおり、現時点で業績ピークアウトは確認できません。
一方、IFRS利益と市場予想には届かず、成長の大部分はNAND価格上昇によるものです。通期予想も未開示であり、低PERだけを根拠に割安と判断するのは危険です。
新規投資は、4万2,000~4万4,000円で少額、3万8,000~4万円を中心、3万4,000~3万6,000円で追加という分割投資が現実的です。4万6,500円で一括購入するより、決算後の価格形成と自社株買いの進捗を確認しながら入る方が、リスクを抑えやすいでしょう。
キオクシアは「単純なAI成長株」ではなく、AI需要の恩恵を受ける高収益のメモリ市況株です。
ちょく見るべきなのは、株価が高値から何%下がったかではなく、NAND価格とAI向けSSD需要がどこまで続くかです。






