2026年6月24日。政府が「フードテック」に対して、植物工場・陸上養殖・食品機械・新規食品の4分野で合計約9兆7,000億円の官民投資を想定するロードマップを示した(出典:Foovo/報道ベース)。
このニュースを見て、今この記事にたどり着いたあなたは、たぶんこう思ってるはずだ。
「また新しいテーマが来た。乗るべきか?それとも罠か?」
その警戒心、大事にしてくれ。なぜなら答えは「どっちも正解」だからだ。
先に名乗っておく。俺は投資歴15年の兼業投資家だ。そして15年前、「国策」「次の大テーマ」という言葉に目を輝かせて新興株とIPOに突っ込み、半年で300万円を溶かした男でもある。給料日のたびに補填して、通帳の数字が減っていくのを見ないフリをしていた。あの頃の俺に読ませたい記事を、今から書く。
この記事では「AIフードテックの関連銘柄でおすすめはどれか」という問いに、銘柄名の羅列ではなく、9.7兆円の金の流れ先の地図と飛びついて死なないための判断基準で答える。
- 官民投資9.7兆円が流れる4領域の中身(最新ロードマップの整理)
- 領域別のAIフードテック関連銘柄マップ(計17銘柄・報道ベース)
- 「関連銘柄」の看板に騙されないための3つのフィルター
- 新NISAでテーマ株を買うときの退場しない鉄則
ボッチ9.7兆円!?国が株を買い支えてくれるってこと?関連銘柄ぜんぶ買っときゃ勝ちじゃん!
ちょく違う。国は一円もお前の株を買わない。その勘違いのまま突っ込むと、15年前の俺になる。まず地図から見ろ
結論:AIフードテック投資は「9.7兆円の官民投資ロードマップ」を地図にしろ

結論から言う。「AIフードテック 関連銘柄」で検索して出てくるリストを上から眺めるのは、今日でやめていい。
理由はシンプルで、政府が「どこに金を流すか」を4つの領域で明示してくれたからだ。金の流れ先が公表されているのに、それを無視して銘柄名だけ追いかけるのは、地図を持たずに宝探しをするようなものだろ?
政府が示した4領域と投資規模(植物工場・陸上養殖・食品機械・新規食品)
まず時系列を整理する。2025年11月4日、日本成長戦略本部の初会合で、フードテックが17の戦略分野の一つに選ばれた(出典:日本農業新聞)。
ちょく半導体やエネルギーと同じ「国が本気で守り、育てる分野」に、食が正式に入ったわけだ。
そして2026年6月24日、政府は官民投資ロードマップを提示した。フードテック4分野の想定投資規模は次のとおりだ(出典:Foovo/報道ベース・執筆時点)。
| 領域 | 官民投資規模(想定) | 中身のイメージ | 関連銘柄の例 |
| 植物工場 | 約4兆6,000億円 | 環境制御型の野菜・作物工場、栽培システム輸出 | サカタのタネ、三協立山、JFE HD |
| 陸上養殖 | 約2兆9,000億円 | サーモン等の陸上養殖プラント、水質・給餌管理 | ニッスイ、マルハニチロ、日東製網 |
| 食品機械 | 約1兆2,000億円 | 調理ロボット、食品工場の省人化・自動化 | 鈴茂器工、レオン自動機、ホシザキ |
| 新規食品 | 約1兆円 | 植物性食品、未利用食品、アレルギー低減卵、パーソナライズ食 | 不二製油G、ユーグレナ |
| 合計 | 約9兆7,000億円 | ─ | ─ |
しかも植物工場については「2040年に国内外市場シェア3割」という長期目標まで出ている。
つまりこれは来週や来月の話じゃない。2040年まで続く長い波として設計されている。この時間軸は、あとで効いてくるから覚えておいてくれ。
なお、この数字はあくまで執筆時点(2026年7月)の報道ベースだ。ロードマップは今後も更新されるから、最新情報は農林水産省のフードテックWGページで確認してほしい。
なぜ今、食に国策マネーが入るのか(食料安全保障×人手不足×AI)
「なんで今さら食なんだ?」と思うかもしれない。だが背景を並べると、むしろ「今までなんで放置してたんだ」という話になる。
- 食料安全保障:気候変動と国際情勢で「輸入頼み」のリスクが顕在化。天候に左右されない植物工場・陸上養殖は安全保障そのもの
- 人手不足:農業も食品工場も外食も、現場の担い手が減り続けている。省人化はやる・やらないの選択肢がない
- AIの実用化:画像検品・需要予測・自動運転農機・環境制御。「人がやるしかなかった仕事」をAIが代替できる水準に来た
この3つが同時に交差したのが今なんだ。政府はこの成長戦略を「危機管理投資」と呼んでいる。守りの投資と攻めの投資が一致する分野に金を入れる、という理屈だな。
しかも土台は前からあった。農林水産省は2020年10月にフードテック官民協議会を立ち上げていて、企業・スタートアップ・研究機関など約1,600人が参加している。
ようこつまり思いつきの打ち上げ花火ではなく、5年以上かけて積み上げてきた流れが、ここに来て国家戦略に格上げされたという構図ね。
「国策に売りなし」を鵜呑みにするな(俺が300万溶かした話)
ここまで読んで「よし、国策だ、買いだ」となったやつ。ちょっと待て。ここからが本題だ。
15年前の俺の話をさせてくれ。当時も「国策テーマ」はあった。俺はニュースが出るたびに関連銘柄リストを開き、ストップ高の板に飛び乗った。買った瞬間は天才になった気がした。だが数日後、材料出尽くしで株価は転げ落ち、俺の買値だけが山のてっぺんに置き去りにされる。それを何度も繰り返した。深夜2時、青白いモニターの光の中で含み損の数字を見つめながら、「次は取り返せる」と自分に言い聞かせていた。気づけば半年で300万円が消えていた。
あなたにも覚えがないか?ニュースを見て「乗り遅れる」と焦って、高値のド天井で買ってしまった経験が。
「国策に売りなし」という格言は、半分本当で半分ウソだ。国策は事業の追い風にはなる。だがあなたの買値の追い風にはならない。政策は5年10年かけて企業の売上に染み込んでいくのに、株価はニュースの瞬間に3日で織り込みにいく。この時間軸のズレこそが、テーマ株で個人が養分になる最大のカラクリなんだ。
ようこ国策なら安心だと思ってました…。ニュースが出た日に買っちゃダメなんですか?
ちょくダメとは言わん。ただ「政策は10年、株価は3日」だ。急騰した日に買う理由は、実は一つもない
AIフードテックとは何か?投資家目線で3分で整理する

銘柄マップに入る前に、「AIフードテック」の中身を投資家目線で整理しておく。ここが曖昧なまま銘柄だけ覚えても、ニュースが出るたびに右往左往することになるからな。
AIは食のバリューチェーンのどこを変えるのか
フードテックとは「食×テクノロジー」の総称で、そこにAIが入ることで実用化が一気に加速した分野だ。
ポイントは、食い物が口に入るまでの流れ(バリューチェーン)のどこでAIが働くかで見ること。大きく5つの現場がある。
- ①生産(川上):自動運転農機、ドローン農薬散布、植物工場の環境制御、陸上養殖の水質・給餌管理
- ②製造(川中):AI画像検品、調理ロボット、食品工場の省人化ライン
- ③流通:AI需要予測による自動発注、在庫最適化
- ④外食:寿司ロボ・盛付ロボ・配膳ロボによる店舗省人化
- ⑤消費:食品ロス削減、パーソナライズ栄養食
ボッチAIが料理作る時代ってマジ?俺の牛丼もAIが握ってんの?
ちょく握ってはないけど…回転寿司のシャリもコンビニの発注も、裏側はもうロボットとAIだらけだよ
官民投資の仕組み:ロードマップは「買い物リスト」ではなく「工程表」
もう一つ、勘違いしやすいのが「官民投資」の意味だ。結論、国が9.7兆円の予算をポンと積むわけでも、株を買ってくれるわけでもない。
構造はこうだ。国が予算・規制緩和・税制優遇で「呼び水」を作る。それを見た民間企業が「この分野なら回収できる」と判断して設備投資や研究開発に金を出す。この官と民の合計が9.7兆円という想定だ。
つまりロードマップは買い物リストじゃなく、「ここに水路を掘るから、水車を持ってるやつは集まれ」という工程表なんだ。
だから投資家がやるべきことは一つ。その水路の上で、実際に水車を回して稼げる企業(=受注・売上を取れる企業)を見極めること。次の章で、その候補を領域別に整理していく。
【領域別】AIフードテック関連銘柄マップ

ここからが本丸だ。先に断っておくが、これは「買い推奨リスト」ではなく、報道・公開情報ベースの整理マップだ。
株価も業績も生き物だから、最終判断は必ず自分で最新の決算とIRを確認してからにしてくれ。俺との約束だ。
ようこまず全体像を一枚にまとめるね。
| 銘柄(コード) | 領域 | AIフードテックとの絡み(報道・公開情報ベース) | 規模感 |
| 味の素(2802) | AI×食の交差点 | 調理ロボのTechMagicと資本業務提携/AI半導体材料ABFも展開 | 大型 |
| キユーピー(2809) | AI×食の交差点 | AI画像検品の先駆者/TechMagicと未来型食品工場構想 | 大型 |
| クボタ(6326) | AI×食の交差点 | 自動運転農機・営農支援システムなどスマート農業の巨人 | 大型 |
| オプティム(3694) | AI×食の交差点 | ピンポイント農薬散布などスマート農業AIの独立系 | 中小型 |
| シノプス(4428) | AI×食の交差点 | 食品スーパー向けAI需要予測・自動発注で食品ロス削減 | 小型 |
| サカタのタネ(1377) | 植物工場 | 植物工場でも必須の「種」を握る世界的種苗企業 | 中型 |
| 三協立山(5932) | 植物工場 | 大和ハウス工業と植物工場ユニット「agri-cube ID」を共同開発 | 中小型 |
| JFE HD(5411) | 植物工場 | 傘下JFEエンジニアリングが大型環境制御温室を手がける | 大型 |
| ニッスイ(1332) | 陸上養殖 | 丸紅と共同でデンマークのサーモン陸上養殖会社を子会社化 | 大型 |
| マルハニチロ(1333) | 陸上養殖 | サーモン陸上養殖施設を建設中、2027年度出荷予定と報道 | 大型 |
| 日東製網(3524) | 陸上養殖 | 漁網大手から陸上養殖システムへ展開 | 小型 |
| 鈴茂器工(6405) | 食品機械 | 寿司ロボ・米飯盛付ロボで外食省人化の直球 | 小型 |
| レオン自動機(6272) | 食品機械 | 包餡機の世界的メーカー。海外展開に厚み | 中小型 |
| ニチモウ(8091) | 食品機械 | 水産由来の食品加工機械ライン(惣菜成型・加熱・冷凍) | 小型 |
| ホシザキ(6465) | 食品機械 | 業務用厨房機器の国内巨人 | 大型 |
| 不二製油G(2607) | 新規食品 | 大豆タンパク・植物性油脂の老舗。プラントベースの実業 | 中型 |
| ユーグレナ(2931) | 新規食品 | 微細藻類の食品・バイオ燃料。テーマ性は強いが業績確認必須 | 小型 |
それぞれ、俺なりの見方を添えていく。
AI×食の交差点銘柄(本命ゾーン):味の素・キユーピー・クボタ・オプティム・シノプス
「AIフードテック」という検索語に一番忠実なのがこのゾーンだ。食の会社がAIを使う、またはAIの会社が食に入る、その交差点に立っている銘柄だな。
味の素(2802)は、調理ロボット開発のTechMagic社と資本業務提携している(2023年発表)。うま味・アミノ酸の技術に「味のデータ化」を掛け合わせる動きだ。そして忘れちゃいけないのが、AI半導体のパッケージ基板に使われる絶縁材「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」の存在。食とAI、両方の国策テーマに足をかけている珍しい銘柄で、俺はこの二刀流を勝手に「うま味とAIの複利」と呼んでいる。
キユーピー(2809)は、食品業界のAI検品のパイオニアだ。ベビーフード原料のポテトをAI画像判定でさばく仕組みを現場に実装して話題になったのは有名な話。こちらもTechMagicと資本業務提携し、2030年に向けた「未来型食品工場」構想を掲げている(出典:創業手帳ニュースほか報道)。マヨネーズの会社と思って見くびると、工場の中身は最先端だ。
クボタ(6326)は食の川上、つまり農業インフラの巨人。自動運転農機や営農支援システムで、担い手が減り続ける日本農業の省人化を正面から担う。フードテックというより「食料安全保障の土台」そのものだから、テーマの流行り廃りに左右されにくいのが持ち味だ。
オプティム(3694)は、ドローンとAI画像解析によるピンポイント農薬散布などを手がけるスマート農業AIの独立系。シノプス(4428)は食品スーパーや卸向けのAI需要予測・自動発注システムで食品ロス削減に直結する。この2つは事業がテーマのド真ん中な分、小型株ゆえに値動きは荒い。惚れ込んで全力買いする銘柄じゃなく、少額で付き合う銘柄だと俺は思っている。
ちなみに「調理ロボのTechMagicを直接買いたい」と思ったやつ、残念ながら未上場だ。だが、出資している上場企業(味の素・キユーピー)を経由して間接的に恩恵を取るという考え方がある。
ちょく未上場の有望株に出資している上場企業を探すのは、テーマ投資の裏口として覚えておいて損はない。
植物工場(官民投資4.6兆円):サカタのタネ・三協立山・JFEなど
4領域で最大の4.6兆円が想定されているのが植物工場だ。ここで一つ、投資家として大事な視点を言う。「野菜を作る会社」より「工場・設備・環境制御システムを売る会社」に金が流れやすい。
ゴールドラッシュで儲けたのは金を掘る人間より、ツルハシとジーンズを売った連中だった。あれと同じ構造だ。
サカタのタネ(1377)は世界的な種苗企業。植物工場がどれだけハイテク化しても、種がなければ何も始まらない。テーマの「入口」を握る会社は強い。三協立山(5932)は大和ハウス工業と共同で植物工場ユニット「agri-cube ID」を開発した実績を持つ。JFEホールディングス(5411)は傘下のJFEエンジニアリングが気象条件に応じて温室内環境を最適制御するスマートアグリシステムを手がけている(出典:かぶれんほか公開情報)。
「2040年に国内外シェア3割」という政府目標は、裏を返せばプラント輸出産業に育てるという宣言だ。
ようこ国内で野菜を売る話に留まらず、システムごと海外に売る会社はどこか、という目線で見ておきたいわ。
陸上養殖(官民投資2.9兆円):ニッスイ・マルハニチロ・日東製網など
海の魚が獲れなくなっている。これはニュースの話じゃなく、スーパーの鮮魚コーナーの値札を見れば誰でも実感してるはずだ。だからこそ、天候にも海況にも左右されない陸上養殖に2.9兆円という数字がついた。
ニッスイ(1332)は2020年に丸紅と共同でデンマークのサーモン陸上養殖会社(ダニッシュ・サーモン)を子会社化した先行組。マルハニチロ(1333)もサーモンの陸上養殖施設を建設中で、2027年度の出荷開始が報じられている(出典:会社四季報オンライン)。水産2強が揃って本気を出しているのは偶然じゃない。
中小型では日東製網(3524)。漁網の大手が、その技術を土台に陸上養殖システムへ展開している。なお、陸上養殖は2023年4月に届出制になってから届出が急増していて、2025年初頭には約740カ所と報じられている。異業種の参入が相次いでいる、熱量のある現場だ。
ボッチ魚を陸で育てるって、プールで飼うってこと?コスパ悪くない?
ちょく今はな。だがAIが水質と給餌を最適化してコストは下がり続けてる。回転寿司のサーモンが「国産工場育ち」になる日は、お前が思うより近いぞ。
食品機械(官民投資1.2兆円):鈴茂器工・レオン自動機・ニチモウ・ホシザキ
個人的に「地味だが一番手堅い」と見ているのがこの領域だ。理由は明快で、官民投資があろうがなかろうが、人手不足で省人化投資は止まらないから。国策はそこにブーストをかけるだけだ。
鈴茂器工(6405)は寿司ロボット・米飯盛付ロボットのパイオニア。回転寿司や弁当工場の裏方はこの会社のロボットだらけだ。レオン自動機(6272)は饅頭や包子を包む「包餡機」で世界的なシェアを持つ。食品機械は日本のお家芸で、海外輸出の伸びしろがある。ニチモウ(8091)は春巻・焼売など惣菜の成型・加熱・冷凍ラインを食品工場に納めている。ホシザキ(6465)は業務用厨房機器の巨人で、外食の省人化・自動化の恩恵をまるごと受ける立ち位置だ。
ロードマップの1.2兆円という数字は4領域で3番目だが、すでに黒字で稼いでいる企業が多いのがこの領域の特徴。夢を買うんじゃなく、実績に国策が乗るゾーンだと覚えておいてくれ。
新規食品(官民投資1兆円):不二製油・ユーグレナなど
「新規食品」には植物性食品、未利用食品の加工、アレルギー低減卵、パーソナライズ食などが想定されている。ここで一つ、正直に言っておきたいことがある。
「フードテックって昆虫食だろ?あれはもう終わったじゃないか」——そう思ってるやつ、けっこう多いはずだ。確かに昆虫食ブームは沈静化した。だが今回の国策は「珍しい食べ物を流行らせる」話じゃない。食料の供給力そのものを強化する安全保障の話だ。ブームと国策を混同すると、見える景色を間違える。
不二製油グループ本社(2607)は大豆タンパク・植物性油脂を何十年も前から手がけてきた老舗で、プラントベースフードを「ブーム前から実業でやってきた」会社。ユーグレナ(2931)は微細藻類(ミドリムシ)の食品とバイオ燃料で知られるテーマ株の常連だが、業績のブレは大きい。テーマ性の強さと業績の強さは別物——これはこの領域全体に言えることだ。ほかにもキッコーマン(2801)のような大手が食の新技術に投資し続けている例もある。
おすすめ銘柄の絞り方:俺が使う3つのフィルター

17銘柄も並べられて「で、結局どれを買えばいいんだ」と思っただろ。その気持ちはわかる。だが俺は「この銘柄を買え」とは言わない。言わない代わりに、俺が15年かけて(300万円の授業料を払って)身につけた絞り方のフィルターを3つ、そのまま渡す。
フィルター①テーマ売上比率:「関連」の看板ではなく決算で確かめろ
結論。「関連銘柄」と呼ばれる企業の多くは、そのテーマの売上が全体の数%しかない。
理由は単純で、メディアや市場は「少しでも絡んでいれば」関連銘柄としてリストに載せるからだ。株価はテーマで動いても、業績はテーマでは動かない会社が山ほどある。だから俺は気になった銘柄があると、必ず決算説明資料を開いて、セグメント情報でその事業の売上と利益の規模を確かめる。
たとえば「陸上養殖に参入」というニュースが出ても、それが売上1兆円企業の中の10億円の実証事業なら、株価への実質インパクトは誤差だ。逆に小型株なら同じ10億円が業績を左右する。同じニュースでも、会社の体格によって意味がまるで違うんだ。
ボッチえ、「関連銘柄」って書いてあったら全部ガッツリ恩恵あるんじゃないの!?
ちょく売上の何%がその事業か見なきゃダメだよ…。ボッチ、前もそれでメタバース関連株でヤケドしてたよね
フィルター②本業の黒字:テーマだけの赤字企業は国策でも死ぬ
2つ目。本業がちゃんと黒字か。
思い出してくれ。今回の官民投資は2040年目標を含む長丁場だ。その果実を受け取るまで、企業は生き残っていなきゃならない。テーマだけが売りの赤字企業は、資金繰りのために増資を繰り返し、株は希薄化でじわじわ沈む。
俺も昔、「夢」だけで赤字のバイオ株を買って、増資発表の朝に株価が2割飛んだのを呆然と見ていたことがある。あの朝のコーヒーの味は今でも思い出せない。何の味もしなかった。
その点、味の素・クボタ・ニッスイ・ホシザキのような大型は本業の稼ぎが分厚く、テーマが不発でも即死しない。一方でシノプスや日東製網のような小型は、当たれば値幅も大きいが外れた時も大きい。大型で土台を作り、小型は「なくなってもいい額」だけ。これが俺の配分ルールだ。
フィルター③時間軸合わせ:政策は10年、株価は3日で動く
3つ目が一番大事だ。政策の時間軸に、自分の投資の時間軸を合わせろ。
官民投資ロードマップは今後、予算編成→実証事業の採択→規制緩和→企業の受注発表、という形で何年もかけてニュースを生み続ける。
つまりエントリーのチャンスは一度きりじゃない。ニュースの急騰日に飛び乗る必要はどこにもなくて、むしろ材料出尽くしで下がった押し目を、分割で拾っていくのが定石だ。俺は「一度に買わない・急騰日に買わない・3回に分けて買う」を機械的に守るようにしてから、高値掴みの回数が目に見えて減った。
ちょくテーマは逃げない。逃げるのはいつも自分のメンタルだ。焦って買う理由を「乗り遅れ」と呼ぶな。
新NISAでAIフードテック株を買うなら:退場しないための鉄則

この記事を読んでいるあなたは、たぶん新NISAをすでに使っているはずだ。だったらなおさら、テーマ株の「置き場所」を間違えないでほしい。
コア・サテライトの「サテライト」に収めろ
俺の運用は単純だ。コア(インデックスの積立)は何があっても崩さない。AIフードテックのようなテーマ株は、サテライトとして資産全体の1〜2割以内。この上限だけは酒を飲んでても守る。
なぜか。テーマ株は当たれば楽しい。だが外れた時、コアまで巻き込んで退場したら、そこで複利の旅は終わりだからだ。リーマンショックで狼狽売りして退場しかけた俺が言うんだから間違いない。攻めの投資は、守りの土台があって初めて成立する。
- コア(インデックス積立)は絶対に崩さない
- テーマ株はサテライトで資産の1〜2割以内
- 1銘柄への集中は避け、領域を分けて2〜3銘柄に分散
- 買う前に「なくなっても生活が変わらない額か」を自問する
買い方・出口・やってはいけないこと
買い方は前章のとおり「分割・急騰日回避」。それに加えて、新NISA特有の注意点を一つ。
NISA口座は損益通算ができない。特定口座なら他の利益と相殺できる損失が、NISAの中では何の救済もない、ただの損で終わる。非課税の恩恵は「利益が出た時」にしか働かないんだ。
だから値動きの荒い小型テーマ株を新NISAでやるなら、なおさら金額を抑えて、出口(いくらで利確するか、いくらで諦めるか)を買う前に決めておくこと。
ようこ非課税だからこそ、損した時のダメージが大きいんですね…
ちょくそうだ。非課税は利益に効く薬で、損には何もしてくれない。だからNISAでのテーマ株は「攻めの中の守り」を徹底しろ。
よくある質問(FAQ)
- AIフードテックの本命銘柄は結局どれですか?
-
「全員に共通の正解」は存在しない。安定重視なら本業が分厚い大型(味の素・クボタ・ニッスイなど)、値幅重視なら小型(シノプス・鈴茂器工・日東製網など)と、自分のリスク許容度で本命は変わる。本文の3フィルター(テーマ売上比率・本業黒字・時間軸)に通してから決めてくれ。
- もう出遅れですか?いつ買えばいいですか?
-
官民投資は2040年目標を含む長期の工程表であり、予算化・実証事業・規制緩和のたびにニュースが出続ける。「今週買わないと終わり」という類のテーマではない。急騰日を避け、押し目を分割で拾うのが定石だ。
- 調理ロボや培養肉のスタートアップに投資する方法はありますか?
-
TechMagicなど有力どころの多くは未上場で、個人が直接買うのは難しい。現実的なのは、出資している上場企業(例:TechMagicなら味の素・キユーピー)を経由して間接的に恩恵を狙う方法だ。出資関係は各社のプレスリリースで確認できる。
- 官民投資9.7兆円は確定した予算ですか?
-
違う。政府予算と民間投資を合わせた「想定規模」であり、確定した歳出ではない(執筆時点・報道ベース)。今後の予算編成や情勢で変わり得るので、最新情報は農林水産省や内閣官房の公表資料で確認してほしい。
新NISAにおすすめネット証券3社

2024年1月に始まった新NISAの口座開設が加速しています。
金融庁が2026年7月3日に公表した調査によると、2025年12月末時点のNISA口座数は2,821万口座、累計買付額は71兆円に達しました。
ボッチ日本証券業協会の調査を見ると、2026年1~5月だけでも164万口座が新たに開設されているよ。

引用|日本証券業協会|「NISA口座の開設・利用状況調査結果(証券会社10社・2026年5月末時点)」の公表について
ようこ今回紹介するSBI証券・マネックス証券・楽天証券は、いずれも口座開設料と口座維持費が無料です。
3社の特徴や良さをそれぞれ紹介するので、参考にしてください。
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FOLIO口座数を含む
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※僕の知人に直接話を聞かせてもらいました。
まとめ:9.7兆円の波は長い。焦らず、地図を持って仕込め

長くなったから、要点をまとめる。
- 政府はフードテック4分野(植物工場・陸上養殖・食品機械・新規食品)で計約9.7兆円の官民投資を想定(2026年6月24日・報道ベース)
- 「AI×食の交差点」「植物工場」「陸上養殖」「食品機械」「新規食品」の領域別マップで銘柄を整理する
- 銘柄はテーマ売上比率・本業黒字・時間軸の3フィルターで絞る
- 「国策に売りなし」は半分ウソ。政策は10年、株価は3日で動く。急騰日に買うな
- 新NISAではサテライト(資産の1〜2割以内)に収め、損益通算できない点を忘れない
最後に、今日からできる具体的な動き方を置いておく。
スーパーの値札で実感できる陸上養殖でも、職場で見ている省人化でもいい。腹落ちする領域が、あなたの主戦場だ。
買うのはまだだ。まず値動きと出来高の癖を2週間眺めろ。それだけで「急騰日に買う恐ろしさ」が体感できる。
決算説明資料のセグメント情報を開く。フードテック事業の売上が全体の何%か。本業は黒字か。5分で終わる作業が、あなたを養分から遠ざける。
資産の1〜2割以内、3回に分けて、急騰日は見送る。出口(利確・撤退ライン)は買う前に決める。これだけ守れば大火傷はしない。
ちょく9.7兆円という数字はたしかにデカい。だがこの波は、今日飛び込まないと消えるような波じゃない。2040年まで続く長い長いうねりだ。焦って高値を掴むより、地図を手に入れて、自分のペースで泳ぎ始めたやつが最後に残る。
15年前、地図も持たずに飛び込んで300万円分溺れた男からの、これが精一杯の忠告だ。
俺の屍を越えてくれ。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の政策・投資規模・企業情報は執筆時点(2026年7月)の報道・公開情報に基づきます。最新情報は農林水産省および各社IRでご確認ください。投資は元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。










