野村マイクロ・サイエンス(6254)は、半導体工場などで使われる超純水製造装置を主力とする水処理装置メーカーです。
株価は過去に大きく上昇した一方で、業績は大型案件の有無で大きく振れます。だからこそ、この銘柄を見るときは「AI半導体の追い風」だけでなく、受注・受注残・メンテナンス売上・株価水準までセットで確認する必要があります。
この記事では、野村マイクロ・サイエンスの事業内容、2026年3月期決算、2027年3月期予想、株価指標、強み・弱み、買い方の考え方まで、投資初心者にもわかりやすく整理します。
- 野村マイクロ・サイエンスは、超純水製造装置を主力とする半導体関連銘柄
- 2026年3月期は大型水処理装置案件の反動で大幅減収減益
- ただし、メンテナンス等は増収で、ストック性のある収益は伸びている
- 2027年3月期は会社計画で売上高970億円、営業利益160億円と大幅回復予想
- 株価は4,320円時点でPER約14.9倍、PBR約4.21倍、配当利回り約1.97%
- 高成長期待はあるが、受注の端境期・海外案件・半導体市況の波に注意
この記事はあくまでも情報提供を目的としたものであり、その手法や知識について勧誘や売買を推奨するものではありません。
本記事に含まれる情報に関しては、万全を期しておりますが、その情報の正確性、完全性、有用性を保証するものではありません。
情報の利用の結果として何らかの損害が発生した場合、著者は理由のいかんを問わず投資の結果に責任を負いません。
投資対象および商品の選択など、投資にかかる最終決定はご自身でご判断ください。
野村マイクロ・サイエンスとは?超純水製造装置の専業メーカー

野村マイクロ・サイエンスは、神奈川県厚木市に本社を置く、超純水製造装置を中心とした水処理装置メーカーです。
会社名に「野村」と付いていますが、野村證券のグループ会社ではありません。現在は独立した上場企業として、電子産業、医薬品産業、バイオテクノロジー、食品、環境エネルギー、分析分野などに水処理技術を提供しています。
| 項目 | 内容 |
| 会社名 | 野村マイクロ・サイエンス株式会社 |
| 証券コード | 6254 |
| 上場市場 | 東証プライム |
| 創立 | 1969年4月2日 |
| 本社所在地 | 神奈川県厚木市岡田二丁目9番10号 |
| 資本金 | 22億3,680万円 |
| 主な事業領域 | 電子産業、医薬品産業、バイオ、食品、環境エネルギー、分析など |
ちょく同社の特徴は、単なる水処理会社ではなく、「最高純度の水」を提供する超純水製造装置専業メーカーとして電子産業を支えてきた点です。
超純水とは?半導体製造に欠かせない“極限まできれいな水”

超純水とは、水中のイオン、微粒子、有機物、微生物などの不純物を極限まで取り除いた高純度の水です。
半導体製造では、ウエハー表面に付いたわずかな汚れや微粒子が歩留まり低下につながります。そのため、洗浄工程などで大量の超純水が必要になります。
野村マイクロ・サイエンスの純水・超純水装置は、活性炭装置、イオン交換装置、逆浸透膜装置、紫外線酸化装置、限外ろ過膜装置などを組み合わせ、顧客の要求水質に合わせたシステムを提案する仕組みです。
ようこつまり、AI半導体そのものを作る会社ではないけれど、半導体工場を動かすために必要なインフラを提供している会社ということですね。
ちょくその通りです。半導体の表舞台はNVIDIAやTSMCのような企業ですが、工場の裏側では水・電力・ガス・空調などのインフラが欠かせません。野村マイクロ・サイエンスは、その中でも「超純水」に強い会社です。
2026年3月期決算:大型案件の反動で大幅減収減益

まず押さえておきたいのは、2026年3月期はかなり厳しい見た目の決算だったということです。

| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 |
| 売上高 | 562億45百万円 | -41.6% |
| 営業利益 | 66億67百万円 | -56.6% |
| 経常利益 | 56億29百万円 | -58.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 38億18百万円 | -62.6% |
| 営業利益率 | 11.9% | 前期16.0%から低下 |
数字だけを見ると、「成長株なのに終わったのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
ただし、今回の減収減益は、会社側も「大型水処理装置案件の受注の端境期」と説明しています。

ボッチつまり、半導体向け需要そのものが消えたというより、前期に大きかった大型案件の反動と、一部案件の工期開始時期の遅れが影響した形だね。
水処理装置は大幅減、メンテナンス等は増収
今回の決算で最も重要なのは、売上の内訳です。

| 事業別売上高 | 2026年3月期 | 前期比 |
| 水処理装置 | 367億23百万円 | -53.4% |
| メンテナンス等 | 186億26百万円 | +19.9% |
| その他の事業 | 8億95百万円 | -56.5% |
| 合計 | 562億45百万円 | -41.6% |
ここで注目したいのは、主力の水処理装置は大きく落ち込んだ一方で、メンテナンス等は前期比19.9%増だったことです。
野村マイクロ・サイエンスは、装置を売って終わりではありません。一度導入された装置は、保守、消耗品、更新、運転管理などの需要が続きます。
ちょく大型装置案件はフロー型でブレやすい一方、メンテナンス等はストック性があり、業績の下支えになりやすい部分です。
- 水処理装置:大型案件の反動で大きく減少
- メンテナンス等:半導体関連企業を中心に堅調
- 利益:高採算案件の反動や工期遅延で減益
- 結論:見た目は悪いが、構造的な需要が消えたわけではない
受注高・受注残も確認する
野村マイクロ・サイエンスのような装置・工事系の会社を見るときは、売上高だけでなく受注高と受注残高が重要です。


| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 |
| 当期受注高 | 476億94百万円 | -49.5% |
| 期末受注残高 | 322億19百万円 | -21.0% |
受注高は前期の大型案件の反動で大きく減少しました。ただし、2026年3月期第4四半期単独では受注高が202億03百万円と、四半期ベースでは回復感も見られます。
今後の株価を見るうえでは、次の決算で受注高がどれだけ積み上がるか、そして受注残が再び増加基調に戻るかが重要になります。
2027年3月期予想:会社計画では大幅回復へ

2026年3月期は大幅減益でしたが、会社は2027年3月期に大幅な業績回復を見込んでいます。

| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
| 売上高 | 970億円 | +72.5% |
| 営業利益 | 160億円 | +140.0% |
| 経常利益 | 150億円 | +166.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 111億円 | +190.7% |
| 1株当たり当期純利益 | 289.90円 | ― |
かなり強い回復予想です。営業利益160億円は、2025年3月期の153億円を上回る水準であり、会社計画どおりに進めば、再び高収益局面に戻る可能性があります。
ただし、ここは楽観しすぎてはいけません。大型装置案件は、着工時期や検収タイミング、海外プロジェクトの進捗で数字がズレやすいビジネスです。
ようこ会社計画が強いからといって、一直線に業績が伸びると考えるのは危険よ。
配当は増配傾向。ただし高配当株ではない
配当については、2026年3月期の年間配当は中間20円、期末61円の合計81円です。2027年3月期は年間85円を会社が予想しています。

| 決算期 | 年間配当 | 配当性向 |
| 2025年3月期 | 80円 | 29.7% |
| 2026年3月期 | 81円 | 81.1% |
| 2027年3月期予想 | 85円 | 29.3% |
2026年3月期は減益にもかかわらず、期末配当を61円に増額し、年間81円としました。会社側は、中期的な成長見通しと安定した株主還元を理由に挙げています。
ただし、4,320円前後の株価で見た配当利回りは約2%弱です。野村マイクロ・サイエンスは、配当目的の高配当株というより、半導体投資の回復と業績成長を狙う成長株として見る方が自然です。
株価・バリュエーション:4,320円時点ではPER約14.9倍

2026年6月12日時点の株価情報では、野村マイクロ・サイエンスの株価は4,320円、前日比+380円(+9.64%)でした。

| 項目 | 数値 |
| 株価 | 4,320円 |
| PER | 約14.9倍 |
| PBR | 約4.21倍 |
| 配当利回り | 約1.97% |
| 信用倍率 | 約6.95倍 |
2027年3月期予想EPS289.90円を前提にすると、4,320円時点の予想PERは約14.9倍です。成長株としては極端に高い水準ではありません。
一方で、PBRは約4倍台と高めです。これは市場が「今後の成長」を織り込んでいるということでもあります。
ちょくもし受注回復が鈍い、工期遅延が再発する、会社計画の達成確度が下がるといった材料が出れば、PBRの高さが株価調整要因になる可能性があります。
チャートは急落後の反発局面。ただし戻り売りにも注意

添付チャートでは、2026年5月に5,290円まで上昇したあと、6月に3,695円まで調整し、その後4,320円まで急反発しています。
短期的には、25日移動平均線や5月高値に向けた戻りを試す場面です。ただし、急反発後は利益確定売りも出やすいため、焦って高値を追うより、押し目を待ちながら分割で入る方が現実的です。
- 4,320円時点のPERは約14.9倍で、成長株としては割高すぎる印象ではない
- PBRは約4倍台で、期待が残っている水準
- 信用倍率は高めで、需給面では上値が重くなる可能性もある
- 急反発後の高値追いより、押し目・出来高・移動平均線の回復を確認したい
野村マイクロ・サイエンスの強み

強み①:超純水製造装置に特化した専門性
最大の強みは、超純水製造装置に特化した専門性です。
同社は、活性炭、イオン交換、逆浸透膜、紫外線酸化、限外ろ過膜などを組み合わせ、顧客の要求水質に合わせたシステムを設計します。
ボッチ半導体工場では水質のわずかな差が歩留まりに影響するため、技術力と実績が重要になるよ。
強み②:半導体工場の新増設と連動しやすい
AIサーバー、先端ロジック、DRAM、HBMなどの需要が拡大すれば、半導体メーカーは工場の新増設や能力増強を進めます。
半導体工場には超純水設備が必要なため、野村マイクロ・サイエンスは半導体設備投資の恩恵を受けやすい立ち位置にあります。
強み③:メンテナンス等のストック収益が伸びている
2026年3月期のメンテナンス等売上は186億26百万円で、前期比19.9%増でした。
大型装置案件はタイミングで大きく上下しますが、導入済み装置の保守・消耗品・更新需要は継続しやすい収益です。
ちょくここが伸びている点は、同社を見るうえでポジティブです。
強み④:日本・韓国・中国・台湾・米国・シンガポールに展開
野村マイクロ・サイエンスは、日本だけでなく、韓国、台湾、中国、米国、シンガポールにも拠点を持っています。
半導体製造拠点は世界中に分散しており、海外展開できる体制は大きな武器です。
特にAI半導体関連投資はグローバルで進むため、海外案件を取れるかどうかが成長性を左右します。
野村マイクロ・サイエンスの弱み・リスク

リスク①:大型案件の端境期で業績が大きくブレる
2026年3月期の決算が示した通り、野村マイクロ・サイエンスの業績は大型水処理装置案件の有無で大きく変動します。
大型案件が集中すれば売上・利益は一気に伸びますが、反動が来ると大幅減収減益になりやすいです。
ようこ毎年きれいに右肩上がりで伸びるタイプの銘柄ではないわ。
リスク②:海外大型案件は工期遅延の影響を受ける
2026年3月期は、一部受注済み大型水処理装置案件の工期開始時期遅延も減収減益要因になりました。
海外案件では、顧客側の投資判断、現地の許認可、建設スケジュール、為替、金利、地政学リスクなどが影響します。
受注したからといって、すぐに売上・利益になるとは限らない点に注意が必要です。
リスク③:半導体設備投資サイクルの影響を受ける
野村マイクロ・サイエンスは、半導体設備投資の拡大局面では強い一方、投資が一服する局面では受注が鈍りやすい銘柄です。
特にメモリー市況、AIサーバー投資、先端ロジック投資の動向には敏感です。
ちょくAI半導体テーマが強い間は追い風ですが、期待先行で株価が上がりすぎると、少しの悪材料で大きく調整する可能性があります。
リスク④:信用買い残が重くなる可能性

2026年6月12日時点では、信用倍率は約6.95倍でした。信用買いが積み上がっている銘柄は、地合い悪化時に投げ売りが出やすくなります。
ファンダメンタルズが良くても、短期的には需給で下がることがあります。特に急騰後のエントリーでは、信用需給も確認しておきたいところです。
競合比較:栗田工業・オルガノとの違い

水処理関連の日本株としては、栗田工業、オルガノ、野村マイクロ・サイエンスが比較されやすいです。
| 銘柄 | 特徴 | 投資イメージ |
| 栗田工業 | 水処理の総合大手。電子産業以外も幅広い | 安定性重視 |
| オルガノ | 電子産業向け超純水に強い中堅水処理企業 | 成長性と安定性のバランス |
| 野村マイクロ・サイエンス | 超純水製造装置に特化した専業メーカー | 半導体設備投資への感応度が高い |
野村マイクロ・サイエンスは、3社の中でも半導体設備投資への感応度が高い銘柄です。
ボッチ良い局面では株価が大きく伸びやすい一方、悪い局面では下落も大きくなりやすいと考えた方がいいよ。

野村マイクロ・サイエンスは今買いか?買い方が重要

結論として、野村マイクロ・サイエンスはAI半導体時代の有力な関連銘柄だと思います。
ただし、だからといって今すぐ全力買いする銘柄ではありません。理由は、業績の振れ幅が大きく、株価も急騰・急落しやすいからです。
4,320円時点の予想PER約14.9倍は、2027年3月期の会社計画が達成される前提では極端な割高感はありません。しかし、会社計画未達や受注回復の遅れが出た場合は、評価が一気に変わります。
買うなら分割。高値追いは避けたい
この銘柄を狙うなら、個人的には一括買いより分割買いが向いていると考えます。
- 1回目:25日線付近や押し目で少額打診
- 2回目:受注回復や決算内容を確認して追加
- 3回目:5,000円台回復後に出来高を伴って上放れたら検討
- 損切りライン:会社計画の前提が崩れる決算なら見直し
野村マイクロ・サイエンスは、「良い会社だから上がる」という単純な銘柄ではありません。良い会社だが、タイミングを間違えると普通に大きく負ける銘柄です。
ちょく特に、決算直後や急騰直後に飛びつくより、受注高、受注残、メンテナンス売上、会社計画の進捗を確認しながら、押し目で少しずつ拾う方が現実的です。
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よくある質問
- 野村マイクロ・サイエンスは何の会社ですか?
-
半導体工場などで使われる超純水製造装置を主力とする水処理装置メーカーです。電子産業、医薬品、バイオ、食品、環境エネルギーなどにも事業領域を持っています。
- 2026年3月期決算は悪かったですか?
-
売上高562億45百万円、営業利益66億67百万円で大幅減収減益でした。ただし、主因は大型水処理装置案件の端境期や工期遅延であり、メンテナンス等は前期比19.9%増と堅調でした。
- 2027年3月期は回復しますか?
-
会社予想では、売上高970億円、営業利益160億円、純利益111億円と大幅回復を見込んでいます。ただし、大型案件の進捗や受注状況によってブレる可能性はあります。
- 配当利回りは高いですか?
-
4,320円時点の配当利回りは約1.97%です。高配当株というより、半導体設備投資の回復と業績成長を狙う成長株として見る方が自然です。
- 新NISAで買えますか?
-
個別株なので、新NISAでは成長投資枠の対象です。つみたて投資枠では買えません。
- 野村證券のグループ会社ですか?
-
野村證券のグループ会社ではありません。野村マイクロ・サイエンスは独立した東証プライム上場企業です。
まとめ:野村マイクロ・サイエンスはAI半導体時代の有力株。ただし高値追いは禁物

野村マイクロ・サイエンスは、半導体工場に欠かせない超純水製造装置を手がける、AI半導体時代の有力関連銘柄です。
2026年3月期は大型案件の反動で大幅減収減益となりましたが、メンテナンス等は増収で、2027年3月期は会社予想で大幅回復が見込まれています。
一方で、受注の端境期、工期遅延、半導体設備投資サイクル、海外案件リスク、信用需給など、注意点も多い銘柄です。
結論としては、野村マイクロ・サイエンスは「面白いが、買い方を間違えると危険な成長株」です。高値を追うより、決算と受注を確認しながら、押し目で分割して狙うのが現実的だと考えます。
ちょくAI半導体テーマの本命は半導体メーカーや製造装置だけではありません。工場を支える水処理インフラにも、長期的な投資チャンスがあります。その代表候補の一つが、野村マイクロ・サイエンスです。






