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【必見】半導体の成膜・露光・エッチングとは?投資家が知るべき製造フロー

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【必見】半導体の成膜・露光・エッチングとは?投資家が知るべき製造フロー

「半導体の製造工程って、結局何をやってるんだ?」

東京エレクトロンの決算を見ても「コータ・デベロッパーが好調」と書いてある。レーザーテックは「EUVマスク検査」。ディスコは「ダイシング」。SCREENホールディングスは「洗浄装置」――正直、最初は何を言っているのか全然わからない。

投資歴が長くなっても、半導体関連銘柄は意外と難しい。株価が上がっている間は「AI関連だから強い」「半導体ブームだから買われている」で済むかもしれない。だが、決算後に急落した時、受注が減った時、装置メーカーごとに株価の反応が違った時に、その会社が半導体製造のどの工程に関わっているのかを理解していないと判断を誤りやすい。

半導体装置メーカーを見るうえで大事なのは、PERや売上成長率だけではない。「その装置がどの工程で使われるのか」「その工程の重要度が今後上がるのか」「AI・HBM・EUV・先進パッケージングの流れとどうつながるのか」を理解することだ。

この記事では、半導体の製造工程を「洗浄→成膜→レジスト塗布・露光・現像→エッチング→洗浄→CMP→検査→後工程」という流れに沿って、投資家目線でわかりやすく整理する。

教科書のような無機質な説明ではなく、料理や工作に例えながら、「だから何?」「投資にどう活きる?」まで踏み込んで解説する。最後まで読めば、東京エレクトロン、SCREEN、レーザーテック、ディスコ、アドバンテスト、荏原製作所などを見る目がかなり変わるはずだ。

お読みください

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本記事に含まれる情報に関しては、万全を期しておりますが、その情報の正確性、完全性、有用性を保証するものではありません。

情報の利用の結果として何らかの損害が発生した場合、著者は理由のいかんを問わず投資の結果に責任を負いません。

投資対象および商品の選択など、投資にかかる最終決定はご自身でご判断ください。

目次

半導体の製造工程とは?まず全体像をつかむ

半導体の製造工程とは?まず全体像をつかむ

半導体の製造工程は、大きく「前工程」と「後工程」の2つに分かれる

半導体製造を料理に例えると

前工程=調理:シリコンウエハーという土台の上に、ナノメートル単位の精密さで回路を作り込む工程。洗浄で表面を整え、成膜で素材の膜を載せ、露光で回路パターンを転写し、エッチングで不要部分を削り、CMPで表面を平らにし、検査で異常がないか確認する。

後工程=切り分け・包装・検査:前工程で作られたウエハーを個々のチップに切り分け、基板と接続し、パッケージに封止し、最後に電気的な検査をして製品として出荷する。

ここで重要なのは、半導体製造は1回の加工で完成するものではないということだ。洗浄、成膜、露光、エッチング、検査などの工程が何度も繰り返され、先端半導体では全体として数百〜1000以上の細かいステップに及ぶこともある。

つまり、半導体装置メーカーのビジネスは「1つの装置を1回だけ使う」世界ではない。

ちょく

工程が増え、微細化が進み、構造が複雑になるほど、必要な装置の種類も台数も増えやすくなる。これが半導体製造装置メーカーを見るうえで非常に重要なポイントだ。

前工程と後工程の違い

スクロールできます
項目前工程後工程
目的ウエハー上に回路を作り込むチップを製品として使える形に仕上げる
対象シリコンウエハー切り出されたチップ、基板、パッケージ
主な工程洗浄、成膜、露光、現像、エッチング、CMP、検査ダイシング、ボンディング、パッケージング、最終検査
求められる精度ナノメートルレベルマイクロメートル〜ナノメートルレベル
代表的な企業東京エレクトロン、ASML、SCREEN、レーザーテック、荏原製作所、KLAなどディスコ、アドバンテスト、ASMPT、東京精密など
投資テーマ微細化、EUV、歩留まり改善、先端ロジック、DRAM、3D NANDHBM、チップレット、先進パッケージング、AI半導体テスト

近年、特に注目したいのが後工程の重要性の高まりだ。以前は「前工程でどれだけ微細化できるか」が半導体性能向上の中心だった。

しかし微細化の難易度が上がる中で、複数のチップを1つのパッケージにまとめるチップレットや、メモリを積み上げるHBM、高性能パッケージにまとめる先進パッケージングの重要度が急速に高まっている。

ようこ

半導体って、ウエハーに回路を作って終わりじゃないんですね。

ちょく

そう。前工程で回路を作り、後工程で実際に使える製品に仕上げる。最近はAI半導体の進化で、後工程の価値がかなり上がっている。

【前工程①】洗浄 ― すべての工程を支える「超精密な掃除」

半導体製造で最も地味に見えて、実は非常に重要なのが「洗浄」だ。

ウエハー表面に付着した微粒子、有機物、金属汚染、自然酸化膜などを、超純水や薬液を使って取り除く。人間の目には見えないレベルの小さな汚れでも、半導体の世界では致命傷になる。微細なパーティクルが1つあるだけで、回路がショートしたり、歩留まりが悪化したりするからだ。

料理でいえば、まな板や包丁が汚れたまま次の作業に入るようなものだ。最初にしっかり洗わなければ、その後どれだけ丁寧に調理しても台無しになる。半導体製造でも同じで、洗浄は各工程の前後に何度も挟まれる重要工程だ。

微細化が進めば進むほど、許容される汚れのサイズは小さくなる。つまり、最先端半導体ほど洗浄の難易度は上がる。

ボッチ

洗浄装置は目立ちにくいけど、歩留まりを支える重要な装置だよ。

  • 代表装置メーカー:SCREENホールディングス
  • 強い領域:枚葉式洗浄装置、バッチ式洗浄装置、スピンスクラバーなど
  • 投資家の着目点:微細化、3D化、歩留まり改善の流れが続くほど、洗浄工程の重要性は高まりやすい

【前工程②】成膜 ― ウエハーに薄い膜を重ねていく

【前工程②】成膜 ― ウエハーに薄い膜を重ねていく

成膜とは、ウエハーの表面に極めて薄い膜を形成する工程だ。

半導体は、シリコンウエハーの上にいきなり完成した回路を描くわけではない。絶縁膜、導体膜、バリア膜など、さまざまな材料の薄い膜を何層も積み重ね、その一部を削ったり加工したりしながら複雑な構造を作っていく。

ケーキで例えるなら、スポンジの上にクリームを塗り、フルーツを載せ、またクリームを重ねるようなイメージだ。

ちょく

ただし半導体の場合、その厚さはナノメートル単位。人間の感覚では想像しにくいほど薄く、均一に膜を作る必要がある。

成膜技術には、主に以下のような種類がある。

スクロールできます
技術名正式名仕組み特徴
CVD化学気相成長ガス状の原料を化学反応させて膜を作る半導体製造で広く使われる成膜技術
PVD物理気相成長金属などの材料を物理的に飛ばして堆積させる金属膜の形成に使われる
ALD原子層堆積原子層レベルで膜を1層ずつ形成する微細化・3D構造で重要性が高い

特に注目したいのはALDだ。原子層レベルで膜厚を制御できるため、微細化が進んだロジック半導体や、3D構造のメモリなどで重要性が高まっている。

  • 代表装置メーカー:東京エレクトロン、Applied Materials、ASM Internationalなど
  • 投資家の着目点:微細化、GAA、3D NAND、DRAMの高性能化で、精密な成膜技術の重要性が高まりやすい

【前工程③】レジスト塗布・露光・現像 ― 回路パターンを転写する

半導体製造の中心的な工程が、リソグラフィ、つまり露光工程だ。

露光とは、回路パターンの原版であるフォトマスクを使い、光でウエハー上に回路パターンを転写する工程のこと。ざっくり言えば、プロジェクターでスクリーンに映像を映すように、ウエハー上に微細な回路の形を焼き付けるイメージだ。

ただし、露光だけで完結するわけではない。実際には、ウエハーに感光材であるフォトレジストを塗り、露光し、現像して、次のエッチング工程で削る部分と残す部分を分ける。

ようこ

ここで登場するのが、東京エレクトロンのコータ・デベロッパーよ。これはフォトレジストを均一に塗布し、露光後に現像する装置で、EUV世代でも非常に重要な役割を担うわ。

EUV露光とは何か?

現在の最先端半導体で重要なのが、EUV露光だ。EUVはExtreme Ultravioletの略で、日本語では極端紫外線と呼ばれる。波長13.5nmの非常に短い光を使うことで、従来よりも微細な回路パターンを形成しやすくなる。

EUV露光装置を量産レベルで供給している代表的な企業が、オランダのASMLだ。EUV露光装置は極めて巨大で複雑な装置であり、価格も数百億円規模とされる。半導体製造装置の中でも、最も技術的な参入障壁が高い領域の1つだ。

露光関連で覚えておきたい企業
  • ASML:EUV露光装置で圧倒的な存在感を持つオランダ企業
  • 東京エレクトロン:フォトレジストの塗布・現像を行うコータ・デベロッパーで強い
  • レーザーテック:EUVマスクブランク検査・レビュー装置などで高い競争力を持つ

投資家として重要なのは、露光周辺には独自技術を持つ企業が多く、参入障壁が非常に高いという点だ。EUVが広がるほど、露光装置そのものだけでなく、レジスト塗布・現像、マスク検査、計測など周辺工程の重要性も高まる。

ボッチ

EUV露光装置って、半導体製造の中でも特に重要なんだね。

ちょく

そう。微細化の核心にある装置だから、ASMLだけでなく、その周辺工程に関わる東京エレクトロンやレーザーテックにも注目が集まりやすい。

【前工程④】エッチング ― 不要な部分を削り取る

【前工程④】エッチング ― 不要な部分を削り取る

エッチングとは、露光・現像で作ったパターンに沿って、不要な部分を削り取る工程だ。

木版画で考えるとわかりやすい。まず下絵を描き、不要な部分を彫刻刀で削る。半導体でも同じように、残したい部分を保護し、不要な膜や材料を削って、回路の形を作っていく。

エッチングには大きく2種類ある。

  • ドライエッチング:プラズマなどを使って削る。微細加工に向いており、先端半導体で重要
  • ウェットエッチング:薬液で化学的に削る。用途によって使い分けられる

微細化が進むほど、エッチングには「狙った部分だけを、狙った深さで、狙った形に削る」技術が求められる。削りすぎてもダメ、削り足りなくてもダメ。まさにナノメートル単位の彫刻だ。

特に3D NANDのように、メモリセルを縦方向に何層も積み重ねる構造では、深い穴を高精度に掘るエッチング技術が重要になる。

ようこ

つまり、半導体が平面から立体構造へ進化するほど、エッチング装置の重要性は高まりやすいわ。

  • 代表装置メーカー:東京エレクトロン、Lam Researchなど
  • 投資家の着目点:3D NAND、GAA、微細化、多層化が進むほど、エッチングの難易度と重要性が上がりやすい

【前工程⑤】CMP ― 表面をナノレベルで平らにする

CMPとは、Chemical Mechanical Polishingの略で、化学的機械的研磨と呼ばれる工程だ。

半導体は、膜を重ね、削り、また膜を重ねることで作られる。そのため、加工を繰り返すとウエハー表面に凹凸が生まれる。この凹凸をそのままにしておくと、次の露光工程で焦点が合いにくくなり、回路パターンが崩れる原因になる。

そこで必要になるのがCMPだ。化学薬品で表面を反応させながら、研磨パッドで物理的に磨いて、ウエハー表面をナノレベルで平坦化する。

壁にパテを塗った後、サンドペーパーで平らにする作業をイメージするとわかりやすい。ただし半導体の場合、その精度は桁違いだ。表面がわずかに乱れるだけで、次の工程に悪影響が出る。

ちょく

多層配線、3D構造、先進パッケージングなどが進むほど、CMPの重要性も高まりやすい。派手さはないが、現代の半導体製造を支える重要工程だ。

  • 代表装置メーカー:荏原製作所、Applied Materialsなど
  • 投資家の着目点:配線の多層化、3D NAND、先進パッケージングでCMP関連需要が伸びやすい

【前工程⑥】検査・計測 ― 歩留まりを守る品質の番人

【前工程⑥】検査・計測 ― 歩留まりを守る品質の番人

検査・計測は、半導体製造における品質の番人だ。

半導体製造では、最終製品ができてから検査すればよい、という単純な話ではない。前工程は非常に長く、複雑で、高コストだ。最後まで作ってから不良が見つかると、それまでの工程にかけた時間とコストが無駄になる。

そのため、半導体製造では各工程の途中で何度も検査・計測を行う。異物がないか、パターンがズレていないか、寸法が設計通りか、膜厚は均一か。こうした確認を積み重ねることで、歩留まりを改善していく。

投資家目線では、検査・計測は非常に重要な領域だ。なぜなら、半導体が微細化・高性能化・複雑化するほど、「作る技術」だけでなく「正しく作れているかを確認する技術」の価値が高まるからだ。

  • レーザーテック:EUVマスクブランク検査・レビュー装置などで高い競争力を持つ
  • KLA:ウエハー検査・計測装置の世界的な大手
  • アドバンテスト:完成した半導体の電気的特性を検査するテスタで大手

特にAI向けの高性能半導体では、チップが複雑になり、テスト項目も増えやすい。そのため、アドバンテストのようなテスタ企業は、AI半導体の成長と関連づけて見られやすい。

ようこ

検査って、完成品だけを見るものだと思っていました。

ちょく

半導体では途中検査がかなり重要。工程が長くて高コストだから、早い段階で異常を見つけることが歩留まり改善に直結する。

【後工程】ダイシング・ボンディング・パッケージング・最終検査

前工程で回路が作り込まれたウエハーは、まだそのままでは製品として使えない。ここから後工程に入り、ウエハーを個々のチップに切り分け、基板と接続し、パッケージに封止し、最後に検査して出荷する。

かつて後工程は、前工程に比べると付加価値が低い工程と見られがちだった。しかし現在は違う。

ボッチ

AI半導体、HBM、チップレット、先進パッケージングの広がりによって、後工程は半導体性能を左右する重要領域になっているよ。

ダイシング ― ウエハーを個々のチップに切り分ける

ダイシングとは、前工程で回路が形成されたウエハーを、個々のチップに切り分ける工程だ。ピザを一切れずつカットするイメージに近いが、実際には極めて高精度な切断技術が求められる。

切断時にチップへダメージを与えれば、不良の原因になる。薄型化や小型化が進むほど、切る・削る・磨く技術の難易度は上がる。

  • 代表装置メーカー:ディスコ
  • 強い領域:切断、研削、研磨装置、ブレードなどの消耗品
  • 投資家の着目点:装置販売だけでなく、消耗品・メンテナンス需要も収益安定化に寄与しやすい

ボンディング ― チップと外部を接続する

ボンディングは、切り出されたチップを基板やリードフレームに固定し、電気的に接続する工程だ。

従来はワイヤボンディングが広く使われてきたが、先端半導体ではフリップチップ接続やハイブリッドボンディングなど、より高度な接続技術も重要になっている。

特にHBMや3D実装では、チップ同士を高密度に接続する技術が性能を左右する。

ようこ

単に「線でつなぐ」だけではなく、信号伝達、放熱、歩留まり、製造コストを左右する重要な工程よ。

パッケージング ― チップを守り、性能を引き出す

パッケージングは、チップを保護し、外部と接続しやすい形に仕上げる工程だ。昔は「チップを樹脂で覆って守る」という役割が中心だったが、現在はそれだけではない。

AI半導体では、GPU、HBM、インターポーザ、基板などを高密度に組み合わせる必要がある。つまりパッケージングは、単なる保護ではなく、半導体の性能を引き出すための設計・製造技術になっている。

  • チップレット:複数の機能チップを1つのパッケージにまとめる技術
  • HBM:DRAMを縦に積み重ね、高速・大容量のメモリを実現する技術
  • 先進パッケージング:TSMCのCoWoSなど、AI半導体で重要性が高まる領域

最終検査 ― 出荷前の最後の関門

パッケージングされた半導体は、最後に電気的な検査を受ける。設計通りに動作するか、性能に問題がないか、異常な発熱や不良がないかを確認し、合格したものだけが出荷される。

AI向け半導体は高性能化・複雑化しているため、検査の重要性も高まっている。高価なチップほど、不良品を出荷するリスクは大きく、テスト工程の価値が上がりやすい

  • 代表装置メーカー:アドバンテスト、Teradyneなど
  • 投資家の着目点:AI半導体、HBM、高性能SoCの拡大で、テスト時間・テスト項目が増えやすい

工程別・主要装置メーカー対応表

ここまでの内容を、投資家向けに一覧表で整理すると以下のようになる。

スクロールできます
区分工程主な装置・役割主要企業投資テーマ
前工程洗浄ウエハー表面の汚染物質を除去SCREENホールディングス、東京エレクトロンなど微細化、歩留まり改善
前工程成膜絶縁膜・導体膜などを形成東京エレクトロン、Applied Materials、ASM InternationalなどALD、GAA、3D NAND
前工程レジスト塗布・現像フォトレジストを塗布し、露光後に現像東京エレクトロンEUV、微細化
前工程露光回路パターンをウエハーに転写ASML、ニコン、キヤノンなどEUV、先端ロジック
前工程エッチング不要な部分を削り取る東京エレクトロン、Lam Researchなど3D NAND、GAA、多層化
前工程CMPウエハー表面を平坦化荏原製作所、Applied Materialsなど多層配線、先進パッケージング
前工程検査・計測欠陥・寸法・膜厚などを確認レーザーテック、KLA、日立ハイテクなどEUV、歩留まり改善
後工程ダイシング・研削・研磨ウエハーを切る・薄くする・磨くディスコ、東京精密など薄型化、HBM、先進パッケージング
後工程ボンディングチップと基板を接続ASMPT、Kulicke & SoffaなどHBM、3D実装
後工程最終検査完成品の電気的特性を検査アドバンテスト、TeradyneなどAI半導体、テスト需要増

この表を見ると、日本企業が半導体製造装置の重要工程でかなり強いことがわかる。東京エレクトロン、SCREEN、レーザーテック、ディスコ、アドバンテスト、荏原製作所などは、それぞれ異なる工程で強みを持つ。

ただし、投資判断では「半導体装置だから全部買い」では危険だ。同じ半導体装置メーカーでも、露光、洗浄、成膜、エッチング、検査、後工程では需要サイクルも競争環境も違う。どの工程が今伸びているのかを見極めることが大切だ。

ようこ

同じ半導体装置メーカーでも、強い工程が全然違うんですね。

ちょく

その通り。だから決算を見る時は「売上が伸びたか」だけでなく、「どの工程の装置が伸びているのか」を見ると解像度が一気に上がる。

投資家は半導体製造工程をどう活かすべきか?

投資家は半導体製造工程をどう活かすべきか?

半導体製造工程を理解すると、装置メーカーの決算を読む力が上がる。

ボッチ

特に見るべきポイントは以下の3つだよ。

① どの工程の装置が伸びているか

半導体装置メーカーの売上が伸びていても、その中身が重要だ。EUV関連なのか、洗浄なのか、成膜なのか、エッチングなのか、後工程なのか。伸びている工程によって、将来の見方は変わる。

例えば、EUV関連が伸びているなら先端ロジックやDRAMの微細化投資と関係が深い。後工程装置が伸びているなら、AI半導体、HBM、先進パッケージングの需要と結びつきやすい。

② 受注残とBBレシオを見る

半導体装置メーカーは、受注してから売上計上まで時間がかかることが多い。そのため、売上だけでなく受注高・受注残・BBレシオを見ることが重要だ。

BBレシオは、受注高を売上高で割った指標だ。1倍を上回る状態が続けば、売上よりも受注が多い状態を意味し、先行きの売上拡大余地が見えやすい。逆に1倍を下回る状態が続くと、需要鈍化のサインになる可能性がある。

③ AI・HBM・EUV・先進パッケージングとの接点を見る

今の半導体投資で特に重要なのは、AI、HBM、EUV、先進パッケージングとの接点だ。

  • AI半導体:高性能チップの需要増。テスタ、先進パッケージング、HBM関連に追い風
  • HBM:メモリ積層、薄型化、接合、検査の重要性が上昇
  • EUV:露光装置だけでなく、レジスト塗布・現像、マスク検査、計測にも波及
  • 先進パッケージング:後工程の付加価値を押し上げるテーマ
ちょく

つまり、半導体装置メーカーを見る時は、単に「半導体関連だから強い」ではなく、どの成長テーマに、どの工程で関わっているのかを確認することが大切だ。

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ボッチ

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よくある質問

半導体の前工程と後工程の違いは?

前工程は、シリコンウエハー上に回路を作り込む工程です。洗浄、成膜、露光、現像、エッチング、CMP、検査などが含まれます。後工程は、完成したウエハーを個々のチップに切り分け、基板と接続し、パッケージに封止し、最終検査を行う工程です。

半導体製造で最も重要な工程はどれですか?

すべての工程が不可欠ですが、微細化という観点では露光工程の重要性が非常に高いです。特にEUV露光は、先端ロジックや先端DRAMの製造で重要な技術です。一方で、歩留まり改善には洗浄・検査・計測も欠かせず、AI半導体では後工程やテストの重要性も高まっています。

日本の半導体装置メーカーが強い理由は?

日本企業は、長年にわたる精密加工、化学、材料、メカトロニクス、制御技術の蓄積を持っています。東京エレクトロン、SCREEN、レーザーテック、ディスコ、アドバンテスト、荏原製作所など、重要工程で高い競争力を持つ企業が多い点が強みです。

EUV露光とは何ですか?

EUV露光とは、波長13.5nmの極端紫外線を使って、ウエハー上に微細な回路パターンを転写する技術です。従来の露光技術よりも微細なパターン形成に向いており、先端半導体製造で重要な役割を担っています。

なぜ後工程の重要性が上がっているのですか?

微細化だけで性能を上げることが難しくなる中、複数のチップを1つのパッケージにまとめたり、メモリを積層したりする技術が重要になっているためです。AI半導体では、HBMや先進パッケージングが性能を左右する重要テーマになっています。

まとめ:半導体の製造工程を理解すれば、投資の解像度が上がる

まとめ:半導体の製造工程を理解すれば、投資の解像度が上がる

半導体関連株を見る時、多くの人は「AI関連だから上がる」「半導体市況が悪いから下がる」と大きなテーマだけで判断しがちだ。もちろんテーマも大事だが、それだけでは投資判断の解像度が粗い。

本当に大事なのは、その企業が半導体製造のどの工程で、どんな価値を提供しているのかを理解することだ。

  • 半導体製造は前工程後工程に分かれる
  • 前工程では、洗浄、成膜、露光、現像、エッチング、CMP、検査が重要
  • EUV、微細化、3D NAND、GAAでは、成膜・露光・エッチング・検査の重要性が高い
  • AI半導体、HBM、チップレットでは、後工程・先進パッケージング・テストの重要性が高まっている
  • 日本企業は、半導体製造装置の多くの重要工程で強い競争力を持っている

例えば、EUVの普及が進めば、ASMLだけでなく、東京エレクトロンのコータ・デベロッパーや、レーザーテックのEUVマスク関連検査装置にも注目が集まりやすい。3D NANDやGAAが進めば、成膜やエッチング、CMPの重要性が増す。AI半導体が伸びれば、HBM、先進パッケージング、テスタ需要に波及しやすい。

つまり、工程を理解すれば、半導体装置メーカーの決算を見た時に、「なぜこの会社が伸びているのか」「どのテーマとつながっているのか」「次にどの工程が伸びそうか」が見えやすくなる。

半導体株はボラティリティが大きく、短期的には株価が大きく上下する。しかし、製造工程を理解していれば、単なる値動きではなく、事業の中身を見て判断しやすくなる。

投資は、わからないものに賭けるゲームではない。理解できる範囲を広げ、勝負できる場所を増やしていく作業だ。

半導体の製造工程を理解することは、半導体関連銘柄を見るうえで大きな武器になる。

ちょく

次に東京エレクトロン、SCREEN、レーザーテック、ディスコ、アドバンテスト、荏原製作所などの決算を見る時は、ぜひ「どの工程が伸びているのか」という視点で読んでみてほしい。

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