
薬剤師の転職は厳しいですか?



どんな理由で厳しいのですか?



どんな人の転職が厳しいですか?
当記事では、薬剤師の転職について、このような悩みや疑問を解決します!
薬剤師になるためには国家資格を取得する必要があるため、そもそも薬剤師になること自体難しいですが、実は転職が厳しいとも言われています。
そのため、「国家資格を持っているからいつでも転職できる」と思っていると、条件を満たす求人が見つからなかったり、採用してもらえないということになりかねません。



薬剤師転職の市場についてしっかりと理解することが大切です!
本記事では、薬剤師の転職が厳しいと言われる理由や転職に成功する人・しない人の特徴について詳しく解説します!
薬剤師の転職が厳しいと言われる理由
薬剤師の転職が厳しいと言われる理由は以下のとおりです。
それぞれの理由について、詳しく解説します!
①求人倍率が比較的高い職業だから
薬剤師は求人倍率が高い職業としても知られており、競争が激しいことから転職が厳しいと考えられることがあります。



地方では薬剤師不足が目立ちますが、一部都心では薬剤師の供給が上回る地域もみられます。
薬剤師は厚生労働省の職業分類において「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」に分類されており、「一般職業紹介状況」では倍率が公開されています。
薬剤師(パート・アルバイトを含む)の倍率は以下のとおりです。
新規求人倍率 | 有効求人倍率 | |
薬剤師 | 4.34 | 2.37 |
---|---|---|
職業全体 | 2.53 | 1.22 |
また、薬剤師(正社員のみ)の倍率は以下のとおり。
新規求人倍率 | 有効求人倍率 | |
薬剤師 | 6.15 | 3.37 |
---|---|---|
職業全体 | 2.59 | 1.32 |
このように、薬剤師の求人倍率は職業全体のなかでは平均を大きく上回る倍率となっています。
また、倍率がマイナスとなっている職業も多くみられるなか、倍率が高いということは、それだけ人気があり、採用人数が限られているということになります。
(参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について」)
新規求人倍率とは?
新しく出された求人(=新規求人)が、新しく仕事を探し始めた人(新規求職者)に対して、どのくらいあるかを示す倍率です。
【計算式】
新規求人倍率 = 新規求人の件数 ÷ 新規求職者
【ポイント】
- 企業の“採用意欲”の高さが分かる
- 景気の変化に敏感で、タイムリーな指標
- 増えていれば、企業が積極的に求人を出している状態
有効求人倍率とは?
今あるすべての求人(=有効求人)に対して、仕事を探している人(=有効求職者)がどのくらいいるかを見る指標です。
【計算式】
有効求人倍率 = 有効求人件数 ÷ 有効求職者
【ポイント】
- 求職者と求人のバランスがわかる
- 1.0倍以上 → 求人の方が多く転職しやすい
- 地域や職種ごとに差が大きい指標
②新型コロナ蔓延をきっかけに求人数が減少したから
薬剤師の需要は新型コロナウイルス蔓延をきっかけに減少しており、2018年と2024年の「一般職業紹介状況」にて薬剤師の求人数(パートを除く)を比較すると以下の結果となります。
年度 | 新規求人 | 有効求人 | 新規求人倍率 | 有効求人倍率 |
2018 | 3790 | 10190 | 9.20 | 6.50 |
---|---|---|---|---|
2024 | 2240 | 6406 | 6.15 | 3.37 |
このように、コロナ後とコロナ以前を比較すると求人数が大幅に減少しています。
倍率に関しても減少傾向にありますが、好条件の求人が減っていることを加味すると好条件の人気求人に応募が集中することも考えられるため、平均倍率以上に転職が難しくなっているのです。
(参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について」/「一般職業紹介状況(平成30年3月分及び平成29年度分)について」)
【有効求人倍率が1.5倍なら?】
→ 「1人の求職者に対して、1.5件の求人がある」という意味。
→ 転職市場が“売り手市場”で、比較的転職しやすい状態です。
②薬剤師の需要が供給を上回ると予想されているから


厚生労働省が発表した「薬剤師の需給調査」によると、将来的に薬剤師の需要は供給を上回り続けることが予想。
これは薬学部の新設などによって薬剤師免許を取得した人の人数が増えているのに対して求人数が減っていることが主な原因です。
今後薬剤師免許保有者が増え続ければ、さらに需要が供給を上回ることが予想できます。
とはいえ、この数値はあくまで厚生労働省によって機械的に算出された予想に過ぎませんので、リアルタイムの市場状況や需要と供給のバランスなどは薬剤師に特化した転職エージェントなどに相談して見極めることが大切です。



実際の市場では、まだまだ薬剤師不足の状況です。
(参照:厚生労働省:「薬剤師の需給調査」)
④AI導入によって業務量が減少するから
薬局やドラッグストア、病院などの薬剤師が活躍する職場でもAI導入が行われており、AIの導入によって業務量が減少した結果、限られた人数の薬剤師だけでも仕事ができるという状況になりつつあります。
たとえば、薬局にAIを導入することで「調薬業務」や「薬歴管理」、在庫管理・文書制作・計算・記録といった「事務作業」などをすべてAIに任せることができるのです。
このような理由から、「AIによってなくなる可能性のある仕事ランキング」では度々上位に選ばれることも多く、AIによる代替が効く仕事が多いことも薬剤師の特徴なのです。



大阪を中心に調剤の一部外部委託などの実証実験も進んでいます!
薬剤師の転職が厳しいなかで転職成功する人としない人の特徴


薬剤師の転職が厳しいなかで、転職成功する人としない人の特徴をそれぞれ解説します。
①薬剤師の転職が厳しいなかで転職成功する人の特徴
薬剤師の転職が厳しいなかで、転職成功する人の特徴は以下のとおりです。
- 薬剤師としての経験が豊富にある
- かかりつけ薬剤の経験がある
- 管理薬剤師の経験がある
- 在宅医療の経験がある
- 薬局長の経験がある
- 店舗経営を改善できる
- 第二新卒として転職する など
このように、薬剤師のなかでも需要の高い経験をしている方の転職は成功しやすい傾向にあります。



また、原則新卒から3年以内の「第二新卒」と呼ばれる期間内の転職は、薬剤師としての基礎が身についた状態で将来性のある人材を確保できることからポテンシャル採用されやすい傾向です!
②薬剤師の転職が厳しいなかで希望条件で転職が成功しない人の特徴
薬剤師の転職が厳しいなかで、転職成功しない人の特徴は以下のとおりです。
- 薬剤師としての経験が少ない
- 短期的に転職回数が多い
- 転職先への条件が厳しい
- 60歳以上の未経験薬剤師 など
薬剤師の転職は厳しい状況が続いているため、薬剤師免許を取得しているだけで経験などのアピールポイントがないと転職が難しい傾向にあります。
また、転職回数が多い・ブランクがあるなどのネガティブ要素があると転職が難しい傾向に。



また、薬剤師の転職で需要がある年齢は20代〜50代までと言われているため、60代、70代の転職の場合、年齢がネックにならないほどの経験や実績がないと希望通りの転職が難しい場合も。
まとめ|薬剤師の転職が厳しいと感じたら転職エージェントに相談!


本記事では、薬剤師の転職が厳しいと言われる理由や転職に成功する人・しない人の特徴について詳しく解説しました!
最後に記事をまとめます。
- 長期的に需要が供給を上回るため、薬剤師の転職は厳しいと言われている
- 一般的な職種より有効求人倍率が高い
- 現在は、まだまだ薬剤師人材不足の状況
お伝えしたとおり、薬剤師の転職は年々厳しくなる可能性があります。
ですので、将来的に転職を考えている方は、今の職場で少しでもキャリアアップしておくこと、資格を取得しておくことなどを意識して日々の業務に励んでいれば、転職する際に希望通りの転職ができる可能性が高くなります!



転職エージェントを利用することで、転職成功までのサポートをしてもらえるだけでなく、企業との間に入って給与交渉や条件交渉をしてもらうこともできます!
ぜひ本記事を参考にして、薬剤師のリアルな転職事情についてチェックしてみてくださいね!